「…つまり、そのお嬢様のフリをしろってこと?」
「そうだ。資産家のお嬢様はお前の生存を誤魔化すための真っ赤な出鱈目…架空の人物を演じてもらうことになる」
「…できるかしら」
「きっとできるさ。今のお前は望月桜でもなく、稲葉深雪でもない…不確定要素の存在なんだから」
「…ごめんなさい」
「別に責めているわけじゃない…記憶がない方が入り込めるだろうと思っただけで…ああいや、僕の言い方が悪かったな…すまない」
「…わかった。やるわ」
「できるのか?」
「ええ…元はと言えば記憶をなくした私の責任だし…これ以上、降谷くんに迷惑をかけたくないの」
「…僕は別に、迷惑だとは思っていないが」
「本当に?」
「どういうことだ?」
「…」
「おい、望月…」
「…もし」
「え」
「もし、この作戦が無事に終わったら…全部話してくれない?大学時代のこととか、警察学校時代のこと…あと、降谷くんが知ってる私のことも…全部」
「でも…」
「知りたいの…今までなにがあったのか…降谷くんが私のことをどう思ってたのか…」
「望月…」
「じゃないと…私はずっとこのまま。なにも変わることができなくなる…」
「…そうだな。わかった。この作戦が終わったら、全部話すよ」
「本当…?」
「ああ…だから、死ぬなよ。絶対に」
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