ALICE+
2017/05/07 18:22
ポーカーフェイスの対談
ポーカーフェイスの対談/agnello様のトリスタン、ランスロット、ブリジットちゃんをお借りしております。
非常に残念な下ネタを真剣に話す円卓しか居ません。
円卓に揃う面々は結末として王の元を離れる者も居るとはいえ、この世界において彼らは王に忠誠心を誓っていた。しかし騎士として誠実に見える彼らだが、男性としての性癖は少々変わっていることが多い。
人妻に魅力を感じてしまうだとか、胸が大きい方が好みだとか、それを別に恥ずかしがるわけでもなく語れるのだからその時ばかりは騎士というよりも思春期の男子のようだろう。
決して主には聞かせられないような話を、ランスロットとトリスタン、そしてガウェインはポーカーをしながら会話は脱線をしていた。
始めこそはトリスタンが最近パスカ嬢とどうなのかと聞いていた筈なのだが、その話は彼らの性癖にまで発展していたし、ベディヴィエールのように気恥ずかしそうにしながらもそれを止める者も居なかったのだ。
「トリスタン卿とランスロット卿は私にばかり胸が好きなんだろうと聞いてきますが、貴方達も嫌いな訳がありませんでしょう?」
カードを捨てながら、ガウェインは所謂ポーカーフェイスをしているトリスタンと、その会話に僅かな動揺を示したランスロットに視線を向ける。
確かにガウェインは胸がある人を特に好むが、大きかろうと小さかろうと胸に興味がない男など居ないだろう。ガウェインの問いかけに、トリスタンは医務室に今居るだろう彼女を思い浮かべながら、頷いた。
「えぇ、確かに好きですね」
「ですよね」
「……」
「ランスロット卿、黙って逃れるのは宜しくないと思いますが」
「……好きですよ、勿論」
ランスロットがまさか特定の人物を想像して同意を示したとは少なくともガウェインは想定していなかった。
普段スーツの上に白衣を纏っているから着痩せしている様に見えて目立たないが、医務室に居る医者の彼女――ブリジットは豊満な胸だ。それを堪能出来る時間は正直に言って幸せだ。
「胸と言ってもやはりただ眺めるだけではなく、やはり揉むのが好きですね。あの柔らかい感触を楽しむのが好きです」
「正直ですね、トリスタン卿。貴方の意見には非常に同意ですが」
「……私は騎乗位で揺れるのが好きですね。騎士が故に騎乗されるというのも好きですし、下から眺めるのもまた……まぁ、欲を言えば胸に顔を埋めたいですけど」
「ランスロット卿……」
「ランスロット卿……」
「その声音と相反する同意を示すような目は何ですか!」
ランスロットの正直な言葉に、トリスタンとガウェインはまるで引いているかのような声で彼を諌めるくせに、首は縦に振っているし目には熱がこもっている。
何の因果か、騎士故に女性に乗られる体位にも興奮を覚えるというものだった。
騎士という誠実そうな響きを持つ肩書を穢すような背徳感を味わえるからだろうか。そもそも歴史上において騎士なんてものは愛欲や陰謀に塗れた存在ではあるが。
「実際顔を埋めると、理性なんて吹き飛びますけどね」
「おや、ガウェイン卿は既によくしてもらっているんですか?……あぁ、パスカ嬢はしそうですね。彼女は甘い誘惑をしながら甘やかすタイプのようですし」
「私の理性が試されているのではないかと思う程に甘やかされるもので……しかし、それだけでは満足できなくなるので何時も『だーめ』とお預けを食らってしまうのですよ」
しゅんとへこんでいるその姿は威厳のある太陽の騎士というよりも、まるで大型犬のようだ。悲しんでいる内容は可愛げのあるものではないが。
普段は面倒を見られたがりで世話を焼いているものの、肝心な時は年下の豊満な胸のある女性であるパスカに慰められつつ、抱き締められたら手が伸びるのも仕方がないといけしゃあしゃあと語るガウェインに、清廉潔白と言われている彼と言えどもやはり男なのだと実感しながらランスロットはカードを配る。
「揉むのも舐めるのも、丁寧に愛撫するのも、こちらの性欲も駆り立てる上に、相手の胸を育てる事にもなるのですからいいことしかないのでは」
「なるほど、道理ですね。あまりに正直な胸への愛撫の正当化に若干驚いてはいますが……」
「確かに成長すると嬉しく思いますね。自分の手によって女性として変わっていく姿は」
「ランスロット卿は付け加える一言が何時も厭らしく感じます。倫理観というものが壊れそうですね」
「私とて何時も背徳的な恋をしている訳では……!」
まるで説得力のないガウェインへの反論に、トリスタンは「悲しい……」と呟く。確かに不倫や人妻というものに惹かれがちな両者だが、現在はそういう意味では背徳的ではない愛を抱いている。しかし、円卓の騎士の二人が密かに同じ女性を好きになっていて、想いを本人に伝えてしまっているということも確かに背徳的な状況なのかもしれないが。
「大変ですね、貴方達に愛される女性は。性癖もそうですが、セックスに至っても」
「おや、私は優しくしますよ?待てと言われたら待ちますし、どちらかというと本当に待ってほしいのか尋ねて本音を聞きますので」
まだ夕暮れ時だというのにも関わらず、深夜の話題に入った彼らの話を止める者はやはり誰も居ない。トリスタンは揃った3枚のカードを並べて、捨てるべきカードを選びながらさらりとブリジットとの営みを思い浮かべながら答える。
「トリスタン卿のその策士な一面に、やはりお相手は大変ですね。誘導されて逃げられなくなるんですから。ランスロット卿?」
「い、いえ、私は待てない自分の無力さに謝罪してしまうのでそういう尋ね方もあるのかと」
「……貴方はその正直な発言や謝罪自体が相手を逃げられなくしているのを自覚した方が良いのでは」
ランスロットのその優しさが、何時も倫理観を壊すことになるのだと自覚して方がいいと溜息を吐く。
申し訳なさそうに謝るから、自分を責めるからブリジットは彼を放って置けなくなってしまうのだから実は的確な指摘だったのだが、ガウェインにはそんな事情知る由もない。
「そういうガウェイン卿、貴方に付き合うパスカ嬢も営みに関してはかなり苦労していそうですが」
ガウェインの体格と体力を十分知っているトリスタンの問いに、ガウェインは思慮する。本人としては自分は忠僕であり、命に背かない騎士道を持ち合わせていると思い込んでいるから聞き分けも良く、彼女を苦労させるようなことは何もしていないと信じていた。
「私は待てと言われたら待ちます。しかし、耐え切れないのが見て分かるのでしょうね。結局受け入れてもらえるので待てなくても良いのではないかと思います。昼は長期戦になるので待たざるを得ませんが」
「……やはり、パスカ嬢には同情致します」
昼の彼の活躍ぶりを知っているのと、待てと言われても待ちたくないという本音を堪えて待とうとするガウェインを見かねてパスカが受け入れた結果、許可をもらったからと我慢を一切しないガウェインが安易に想像できたのか、トリスタンは同情しながら完成したフラッシュのカードをテーブルに広げる。
「おや、私は敗けのようですね」
「スリー・カード……あと一枚揃っていたらフルハウスでしたね。ランスロット卿はハートのフラッシュですか」
「何故卿は何時も私にこのような手のゲームで勝つのでしょうか」
「またの機会にチェスでも致しますか?ガウェイン卿」
「貴方のチェスは私とは合わない戦法ですから控えさせていただきたい」
チェスにおけるランスロットの卑怯な戦法は思い出すのも腹正しいと苦い顔をしながらガウェインはカードを集めるのだった。
prev / next
ALICE+