ALICE+
2017/05/07 18:12
Xanadu SS
あいらさま宅マリネちゃんと杜宮待ち合わせでSS
「……マリネが来ない」
サイフォンを片手に駅前広場で待っていたフランはつい口に出してそう呟いてしまった。別に自分自身時間に厳しいという訳ではないが、今回で初めてではなかった。
「もー……駅前広場に来るの初めてじゃないのになんで?」
この杜宮で会った同じ異国人の友人であるマリネ・スタンブルーはとにかく方向音痴だ。それに加えてサイフォンの扱い方がいまいち分かっていないのか掲示板も上手く使えないので直ぐに連絡を取れる確率も高くない。彼女はカメラマンも出来る敏腕記者だと言うのにどうしてサイフォンを使えないのだろうか。
折角今日は二人でアクロスタワーに行こうとしていたのに、先ずはマリネを探す所から始めないと。
取り敢えず目撃情報はないかと掲示板を開こうとした時、コウ君からメッセージが入った。
『今偶々マリネさんと会って、フランさんを探してるっていうから連絡入れたんスけど……』
「えっ、マリネ!?ど、どこで会ったのかしら……」
メッセージを返してマリネと何処であったのかと聞くと、一分位で直ぐにメッセージが帰って来る。『七星モールの近くッス』という内容にはぁ、と溜息を吐く。『迎えに行くから七星モールの中で待ってるように言って』と伝え、フランは駅前広場を後にして七星モールへと向かった。
少し駆け足気味で七星モールへと向かい、一階の店を探すと、入口付近にある店を眺めているマリネの後姿があった。
「あぁもうやっと見つけた……」
「あっ、フランちゃん!?ごめんね!駅前広場に行こうとしたんだけど全然着かなくて、ここに着いた所でコウ君に会って」
「大丈夫よ……ふふっ、もう何時もの事だから。というか、いっそ毎回集合場所は私の家の近くの方がいい?あ、でもそれはそれで申し訳ないわね……」
「フランちゃんの家にはもう迷わずに行けるんだけどね〜」
レンガ小路にあるフランの家にはマリネも何回か迷った末に迷わず行けるようになったのだ。それでも駅前広場は一番アクセスしやすいし目立つ場所だと思うのだが。
「杜宮に来てからちょっとは慣れた?」
「うーん……街自体には。でも、日本語はまだまだなんだよネー」
「でも初めて来てこれだけ覚えてたら上出来よ。日本食教えるのと一緒に、日本語も教えるから」
「ありがとう、フランちゃん。でもよくそんな覚えたよね〜」
「ほら、私は四年目だし、それに日本食は神社で教えてもらってるから。でも、日本で有名な記者だなんて、一学生の私が知り合いになれてるのが今でも信じられないくらいよ」
「そ、そんなことないってば!」
別にお世辞で言ったつもりではないのだが、否定しようとするマリネにフランは「次の記事も期待してるからね」と声をかけた。
アクロスタワーに向かって歩きながら、取り敢えず電話位は直ぐに出来るようになってもらおうとサイフォンを取り出して説明しようとした時、マリネはフランのサイフォンについてるストラップに目を留めた。
「あっ、モリマルがストラップ、付けてくれてるんだ!」
「えぇ、勿論。マリネと一緒に買ったものだし、大事だからね。クロウに……何だこれって言われたけど」
「クロウ?あっ、フランのボーイフレンドね!」
「まっ、マリネ……っ!」
間違ってはいないけど、改めて誰かにボーイフレンドと言われると気恥ずかしいものだ。マリネはその人について興味を示して聞いてくるが、フランはその話はまた今度と遮って話を逸らそうとする。
そして新しいモリマルグッズを買おうと意気込むマリネと共にアクロスタワーへと向かった。
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