僕を心配させないでよ


 着信音がしてスマホを取り出すと、彼から電話が来ている。

 「もしもし?」
 「大丈夫? 無事?」
 「大丈夫。全然無事です」

 そう言って終了ボタンをタップする。
 またスマホが鳴って、画面を見ればラインが来ていた。

 《あとどれぐらい?》
 《わかんない、》
 《心配になって。終わったら連絡ちょうだい》

 既読無視したいけど、したらまた電話がかかってきてしまう。それだけはなんとしてでもさけたい。こんなところで二度も電話とか辛すぎる。
 彼は過保護で何かと私の行動を知りたがる。一方の私は相手が何をしているかは基本的にどうでもいい。浮気さえしていなければOKだ。彼ならしそうにもないけれど。
 用の済んだ私は部屋を出て、手を洗い外に出る。

 「よかった……。無事で」

 そう言って彼に抱きしめられる。

 「無事に決まっているでしょ。トイレ行くぐらい!」
 「もし個室に不審者がいたらどうするの? 襲われたらどうするの」
 「んなもんいるか、どこかの変なドラマ見すぎ!」
 「僕を心配させないでよ」
 「心配性すぎだから」

 本当によかったと呟く彼のほうが襲われるんじゃないかと私のほうが不安だ。


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