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あれから夜久と話してない。
というよりは、私が夜久を避けている。

「なぁ」
「!!!」
「そんなにビビられて、どーしたらいいわけ俺は」
「…ごめん」


階段の裏側に二人でしゃがんで並びながら話す。
「まぁ、突然言った俺も悪かったと思うけど」
「ほんとだよびっくりしすぎて食欲落ちちゃったじゃんどうしてくれんの」
「確かにおまえ、最近顔ゾンビみたいだぞ」
「うそ!やっぱり?」
頬に手を当ててムンクの顔真似をして夜久に披露する。あれ、笑ってくれない。
「ちょっといま真面目に話したいからヤメろ」
「…すいません」
だって、だって。ふざけてでもいないとどうしたらいいかわからない。夜久とはずっとこんな感じだったんだもん。私がふざけたら夜久がツッコんで、夜久がはりきってたら私が冷めた目で見るみたいな。
こんな、気恥ずかしいの知らない。
夜久の目が見れなくなっちゃう。
「こないだ言ったのはほんと。俺、おまえが好きだ」
「(わああああ、)」
「でもだからって付き合おうとか今すぐどうこうなろうとは思ってねぇから」
「え?」
「てかおまえはそもそも彼女にするような生き物じゃねぇし」
「オイ」
「だから安心しろ」
本日いちばんの爽やかな顔で、ニィッと夜久は笑った。
「安心、て、なにそれ」
できるわけないじゃんバカ。
「言ったらおまえが混乱するのはわかってたし」
「そりゃ混乱するよ、でも、」

この一週間くらいのあいだ、ずっっっと夜久のことが頭から離れなくて、むりやり引っぺがそうとしても離れなくて、嫌でも夜久のこと目で追っちゃうし、なんか前よりキラキラして見えて泣きたくなるし、他の女の子と話してるの見るとなんかもやもやするし、私だって夜久と話したいのにどうやって話しかけたらいいのかもわからなくなるし、もしかしたら夜久、私のことバカすぎて嫌いになっちゃったのかなとか、いろいろ、ほんとにいろいろ考えすぎて、
「どうしたらいいかわからないんだもん…夜久のバカぁー」
「えっ?!ちょ、オイ」
瞳に膜をはって固まっていた涙が溶けて溢れ出る。
夜久が慌ててる。
「私彼氏とかいたことないし恋愛とかよくわかんないし」
「それは知ってる」
「けど夜久はそんなことないだろうし、てか私なんかデカイしかわいくないし」
「バッカヤロー」
こつん、と頭を叩かれる。
「そーゆう難しいことは、おまえは考えなくていんだよ」
「でも、」
「俺はおまえのその背がでかくてバカなとこも含めて、かわいいって思ってんの」
ぐすぐすと泣き止めない私の涙を止めようと、夜久がカーディガンの袖で拭ってくれる。そんなことされたら余計止まらなくなるということを知らないのか。
「やくぅぅぅ」
「なんだよ」
「スキ」
「!!!」
「夜久の、彼女にしてください」



「手始めにチューでもしとく?」