オメガバースネタ


【はじめての巣作り(安室Ver.)】
恋人の為に用意した家に帰宅した安室は声をかけても反応のない事に疑問を感じていた。漂うフェロモンからして発情期になったわけではなさそうだから寝ているのだろうか、と室内へ足を進める。
どの部屋にも恋人の姿は見えず、しかし気配は感じる。
寝室の扉をあけると、異変にすぐに気づいた。クローゼットに入っていた彼女の私物や服が乱雑に放り投げられており、ベッドからはシーツと枕が消えている。
クローゼットの扉は微かに開いており、そこからは彼女のフェロモンが微かに漏れていた。
クローゼットの扉を開いてみれば、やはり彼女の姿がある。なるほど、クローゼットには安室の私物はたくさんある。駆け回って集めるよりクローゼット自体を巣にしてしまう方が合理的である。

「…ただいま」
「おかえりなさい」
「これは…巣作りですか?」
「……」

彼女のはじめての巣作りだったからだろう。しかし世間で聞く巣作りとは一風変わった巣に、思わず安室の口からは笑い声が零れてしまう。
「クローゼット丸ごと巣にしてしまうなんて」
「…わからなかったんだもん」
「いや、これは巣ですよ。…シェルターの方が近いかも知れませんが」
「むぅ…」
「次はもっと頑張りましょうね」
「…ん。あむろさん」
「はい」
「ちょーだい。安室さん、いっぱい」
「仰せのままに」

安室はクローゼットの中へと身を入れ、後ろ手に扉をしめた。


【はじめての巣作り(赤井Ver.)】
「……」
「……」
「言い訳は聞こう」
「巣作りしてました」
「この巣は初めて見たぞ。とりあえずコレをどうやって見つけたのかは兎も角、なぜ使った」
正座した彼女の後方には彼女が赤井の服や私物で作った巣があった。
それだけなら良い。問題はその巣に使った危ないものである。
「ライフルを見つけた上に骨組みに使うとは……」
「巣だから…使えそうかなー、って…」
反省はしているのだろう。視線を床に落とし雰囲気からしても落ち込んでいる。しかしと再び巣へと視線を向けた。
ライフルを骨組みとして組み立て、それに服などをかけて作られた巣はテントに近い形状をしている。一般的に聞く巣とはかけ離れた出来に、Ωのはじめての巣作りはこうなるのかという錯覚にも陥る。

痛む頭を押さえた赤井は深くため息をついた。