このほの22話あとがき

諺や故事成語をもじるのって楽しいですよ。

21話、そして22話と続いて“捩り”で考えたタイトルです。簡単に元ネタをご紹介しておきます。

『鑑みること鏡に如かず』
→「弟子を見ること師に如かず」
弟子を一番よく知っているのは師匠であり、師匠に及ぶような人はそういない、という意味です。類語で「子を見ること親に如かず」というのもあります。
捩って付けた「鑑」と「鏡」は同じような字ですが、漢和辞典を引きますと微妙に違う意味を持っていることが分かります。色々ありますがタイトルに採用した意味ですと「鑑」は識別すること、うつして見ること。「鏡」は平らで明るく澄んだ物、また高潔な人。

『追う手を防げば地蔵が回る』
→「追う手を防げば搦め手が回る」
これは「前門の虎、後門の狼」とどちらを捩るか迷いました。意味は同じで、一つの災いを逃れても、更にまた別の災いに遭うことのたとえです。本編では更木隊長から逃げたら涅局長にばったりしちゃいましたね。
いくつか別のタイトル案も出したのですが、「地蔵が回る」は思いついたらもう使うしかありませんでした。こんなに変なフレーズそうないぞ!と。

……と、述べはしましたが雰囲気だけでも何となく感じていただければ。


そしてここにきてまたまたオリキャラが登場です。……とはいっても実は結構前から登場済みで、今回はじめて名前が出たってだけの人たちなのですが。金矢と甘竹はそれぞれ十一番隊の平、九番隊の平、という名無しのモブとしてやっていくつもりでしたが、固有名詞で呼べた方が執筆上何かと便利なので名前を呼んでしまいました。たまに出てくる二人のこともどうかよろしくお願いいたします。

原作で初めて卍解を披露したのって、実は涅隊長なんですよね。
一護が仲間たちを助けるために強くなろうと修行にとりかかり、夜一さんから卍解という手段を伝えられ、読者もそこで初めて「へぇ〜そんなすごい必殺技みたいな奥の手・奥義があるんだ〜」って知るんですよ。その直後に石田vs涅親子の激戦が始まってしまう訳です。「主人公の一護はいったいどんな卍解を習得するんだろう?」「そもそも卍解って凄いらしいけど、どんな感じかな?」とわくわくしている読者に対して、久保先生が一番最初に叩きつけてくる卍解が『金色疋殺地蔵』。これは酷い!(誉め言葉)
……とまぁそういうこともありまして、『このほの』でも卍解させるなら一番手は涅隊長にしたい!というのでこうなりました。あの姿のインパクトは凄いですよね。因みに筆者は芋虫は大嫌いです。触れません。

次回からは漸く遠征に出発します。二隊合同とは先が思いやられますが、精進してきてもらいましょう。

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BLEACH 2019/01/24
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