あんどろいど一護……

(´-`).。oO( °▽° *ゞ初めまして!私の名前は黒崎一護!好きな言葉は「早寝早起き」です!)

……ん?

間違えた、ねんどろいど一護。届きましたよ!
P.S.「アンドロイドでもなくて義魂丸じゃん」とかありきたりなことを思った人は、ツッコミの才能がないです。

やかましいですね、ハイ。

斬月は二本!通常verと刀身にも布が巻いてあるverがついてます。他のねんどろにも持たせて遊んだりできますよ!他と言っても、私はマルスとカービィしか持ってないんですけど!コンは一護と違って腕とか動きませんし小さいですが、丁寧に作られています。一護とコンのコンビ、やっぱり好きだなぁ。
机の上にちょこんと置いて……と。これで執筆のやる気もうなぎ上り!(速さもついてくるとはいってない)!


ところで急に話は変わるのですが、新元号についてつらつらと書きたくなったので書いてみます。

“令和”。『万葉集 巻五 梅花の歌三十二首并せて序』からとったそうですね。
個人的にはとても素敵だと思います。大和言の葉にはラ行音から始まる語が無いこともあって(これは説明しようとすると論文が出来上がりそうなほど面倒なので省きますが)、それを“和”に繋げるというのは何とも新鮮な印象です。

しかしTwitterを見ていると、元号に関するニュース記事へのリプライ等で「“和”を上から目線で“命令”されている気がして嫌だ」とか「英訳を Beautiful Harmony とするには無理がある、こじつけだ」と文句をつけている方が少なくないのです。中には、「漢字辞典を引いてみたが“令”の欄に“美しい”という意味は一切載っていない、令和を Beautiful Harmony とするのは誤訳だ!」と強気な方までいらっしゃいました。……あなた、本当に辞典を引いたの?それどこの出版社のやつですか?と呆れてしまいます。
「反論するならその人にリプライすれば」と思われるかもしれませんが、Twitterって好きなことで盛り上がったりいち早く情報を得たりする分には適したツールですが、真面目に意見交換するには非っ常に難しい場ではないですか。残念ながら、こちらが書いていないことを勝手に脳内補完して喧嘩腰になられるような方がうようよしているように思います。独り言のつもりで呟いてもクソリプと引用が飛んでくるご時世、あそこで色々言う気にはなれません。個人サイトのブログの下っぱで済ませよーっと。ね!


さて、十何世紀かぶりに話題沸騰の万葉集。全二十巻ある日本最古の和歌集です。一見、全て漢字で記されているように見えますが、そこに記された字は必ずしも現代と同じ意味を持っているとは限りません。序文は漢文で記されているため書き下して読めますが、和歌の表記はあくまで“万葉仮名”であり、“漢字”ではないのです。万葉仮名とは、中国から伝来した一つ一つが意味・字義を持つ“漢字”の音を借りた“仮名”です。ですから、万葉集の和歌を読み解くのに現代の漢字辞典や漢和辞典を用いるのは些か不適切といえます。

例を挙げてみましょう。折角ですので『万葉集 巻五 梅花の歌三十二首并せて序』の中から二首、私の好きな歌を。
@一般的な現代表記
A原文の万葉仮名表記をPCから打てる範囲で可能な限り近しい字で
B有力な語訳・解釈
の順でいきますよ!


歌番号818
詠人:筑前守山上丈夫(つくしのみちのくのかみやまのうへのだいぶ)
※つまり、山上憶良(やまのうえのおくら)

@春されば まづ咲く宿の 梅の花 独り見つつや 春日暮らさむ

A波流佐礼婆 麻豆佐久耶登能 烏梅能波奈 比等利美都ゝ夜 波流比久良佐武

B春になるとまず最初に咲く梅の花を、私ひとりで見て春の日を過ごすなど、どうして出来ようか。(いや、出来ようはずもない。ひとりで見ても意味がなく、この場に皆で集まって宴をしながら見るのが良い。)


歌番号822
詠人:大伴旅人(おほとものたびと)

@わが園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の 流れ来るかも

A和何則能尓 宇米能波奈知流 比佐可多能 阿米欲里由吉能 那何列久流加母

B我が庭に梅の花が散る。はるか遠い天から雪が流れて来ているのだろうか。(※梅の花が散る様を、天から雪が流れ吹く様にたとえている。また、「ひさかたの」は「天」にかかる枕詞。)


どうでしょう。一人で見るより大勢で見た方が楽しいよね〜とか、散りゆく白い花はまるで雪みたいだよね……とか、感性は現代の人とそう変わらない様に思いませんか。
因みに“令和”の典拠である箇所の作者は、上記の歌を詠んだ山上憶良説・大伴旅人説・または旅人周辺の官人説、などがあります。いやぁ、誰なんでしょうね。まさか作者も1300年近くの時を超えて元号に採用されるとは夢にも思ってなかったんじゃないかなぁ……。

そうそう、上の歌はどちらも「うめのはな」と読む箇所があります。そこにご注目ください。
「うめのはな」……
「烏梅能波奈」
「宇米能波奈」
同じ梅花のことを詠んでいるのに字が異なります。“万葉仮名”は、音で読めれば自由に当て嵌めて構わないので、よくこういうことが起こります。先ほど私は、記された字は必ずしも・・・・現代と同じ意味を持っているとは限らない、と言いました。「うめのはな」と書き記すとき、「梅」という字は「メ」という音の仮名であるうえに漢字としては「うめのはな」という字義を持っている……という学を持ち合わせていれば、当時の人としても「梅」を使いたがるのは必然と言えます。しかし反対に、敢えて他の人がよく使う字とは違う字を使い、独自性を狙う人も出たのでしょう。その結果が「宇米」かもしれませんね。
私だったら、濃くて赤に近い梅のことを詠むなら「卯目」、辺り一面に舞う白い梅のことを詠むなら「羽海」の万葉仮名を当ててみたいです。

……どうでもいいことですが、「波流佐礼婆」って何か面白くありませんか?「バ」の音だけ用いられていることは分かっていても……ふ、ふふ。ふふふ。

更に、山部赤人(やまべのあかひと)は“恋”と万葉仮名で記すのに「孤悲」、坂上郎女(さかのうえのいらつめ)は“片恋”を「加多孤悲」としていたりします。「己火」や「去非」や「古日」ではなく「孤悲」を用いたのは、意図あってのことでしょう。該当の歌に込められた気持ちや背景を汲み取れるような万葉仮名の使い方……雅を感じずにはいられません。

急に時代が飛びますが、江戸時代の言葉の話も少しさせてください。
「はやり」。現代では「流行」と書くのが一般的です。しかし、江戸時代には「時花」を「はやり」と読ませるのがはやっていました。
流行であれば、流れ行く。止まらず、通り過ぎ、忘れ去られる。
時花は、まさしく時の花。盛りを謳歌し、時季が終われば散る定め。
「時花」は日本で生まれました。漢字は中国伝来ですが、日本人は輸入した文字を独自に変化させて国字を生み出したり、言葉遊びを楽しんだりしてきたわけです。

では、ここでやっと本題に入ってみましょう。“令和”の典拠である序文から引用します。


原文
于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。

書き下し文
時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす。

書き下し文の読み
ときに、しょしゅんのれいげつにして、きよくかぜやわらぎ、うめはきょうぜんのこをひらき、らんははいごのこうをかおらす。

現代語訳(※管理人による)
時は春はじめのよい月であり、空気は美しくそしてめでたく、風はほどよくうららかである。梅は鏡の前にいる美しい人がおしろいを塗るようにぽんぽんと花を咲かせ、蘭は帯からさげた匂い袋のように芳しく香っている。


……Wikiとかに載ってるのとは少し違う訳し方をしてみましたよ。学校のテストなどではあれで充分100点満点を取れるでしょうが、もっと春らしくやわらかい感じにしてみたかったので。

この『梅花の歌』の序文はもっと長いんですが、ノリノリに変換して要約しますと、「いやぁ、素晴らしい春だね!せっかくだから大伴旅人のお家に皆で集まって宴会を開いたよ。お空を絹傘(団子屋さんの店先とかによくあるあの傘)、大地を敷物ってことにして、膝を寄せてお酒を飲んで寛いで、盃もどんどん回しちゃう!何も言えないくらい楽しい!あっ、でも、やっぱり歌を詠んで今の気持ちを残しておきたいなぁ。昔も今も、そういう気持ちは変わらないよね。さあ、この梅の花をお題に、ちょっと歌でもつくろうぜ!」……てな感じになります。うわ、楽しそう。そしてこの序文の後に、梅の花にかけて作られた見事な歌が三十二首、ずらりと続くのです。

“令”という字が持つ主な意味をいくつかご紹介します。
命令。指示を下す。
季節。
立派な。美しい。よい。
……などです。『万葉集』の序文に出てくる“令”に付された意味は、勿論、「命令」ではありません。ここまで目を通してくださった方なら「絶対これだけは違うな」とお分かりいただけると思います。

“令”という字を見て、つい「命令」の方の意味を思い浮かべること自体は悪いことではありません。現代ではそちらの意味で用いることが多い字でもあります。しかし、ろくに調べもしないまま、筋を通さず、新元号を批判したいがために“令”の字を悪く言い続けることは良いことではないと思います。
元号というものの性質上、「国の権威だ権力だ」と政治方面に絡めたがる気持ちを全く理解できないわけではないですが、日本語・言葉・表現・創作好きな私としては、実はそんなのどうでもいいのです。約1300年前に発行された、私の好きな本のことまで悪く言われている気がして「ちょっとやめてよ〜」ってなっただけです。
素敵じゃないですか、“令”。

ここで突然ですが、引き合いに“金”という字を挙げてみます。
“金”という字が持つ主な意味をいくつかご紹介します。
こがね、黄金。また、それと同等に貴重なもの。
金属の総称。
お金。銭、財貨。
……などです。熟語で「金言」といったら当然、教訓となるような尊い言葉のことをいいます。まさか「銭についての卑しい発言」とは捉えませんよね。
つまり、それと同じです。漢字は一つで二つ以上の意味を持っていることが殆どですが、場面や文脈によっては意味を一つに定めることができます。“令和”は『万葉集』で春の梅花の美しいさまを述べている序文を典拠としているのですから、“令”の意味は「美しい」となります。英訳を「Beautiful Harmony」とするのはごく自然なことです。


長々と殴り書きましたが、“令和”についてはここらで終わっておこうと思います。


おまけ。
『このほの』の18話と今月の拍手お礼文はタイトルを対比させています。18話のあとがきでも述べましたが……「徒花」は咲いても実を結ばずに散る、若しくは狂い咲きで季節外れの、という意味があります。しかし筆者としてはひとつ、辞書にはないのですが“偽物”という意味も込めました。
ならば「徒雪」は、積もることなく融ける、時季外れできっと最後の、とかになりますかね。そして更には“奇跡的だが淡く儚いもの”として譬えることができそうです。
私は辞書にも載っていない意味を独自に込めてみたり、造語を作ってみたりと言葉遊びをするのが大好きです。25話の「死願者」とか今月の拍手お礼文あとがきの「悲壮天涯」とかもそうです。学校や会社でそんなこと書いたらバツを付けられることでしょう。でも自分の小説くらいは好き勝手に書きたいので……多分これからもそんな調子で遊びます!よろしくね!昔の人だって万葉仮名とか掛詞で遊んでたんだし良いよね!


P.S.ちみメガバディシリーズ黒崎一護&朽木ルキア、予約しました。並べるのが楽しみです。


BLEACH 2019/04/05
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