半熟ヒーヨー


トド「大変だー! 分裂した十四松兄さんがひよこになっちゃった!」
チョロ「ごめん、一言目から何言ってんのか、全っ然わかんない!!」


おそ「なるほど。温泉卵が旨く出来すぎて感動のあまり十四松が分裂、ひよこになっちまったってわけか……」
チョロ「いや、だから何一つ理解できないんだけど」
トド「最近、母さんが近所で安売りの卵をよく買ってくるから、十四松兄さんと色々試してたんだ」
一「ああ、この前のオムレツも美味しかった」
おそ「いいな〜。で、温泉卵に挑戦してたんだな」
トド「うん。何度も失敗したけど、ようやくコツがつかめたんだ。なのに……」
カラ「それで、当の十四松はどこにいるんだ?」
トド「それが……」
 ガラッ
十四「ピヨピヨ、ピヨピヨピヨ」
「「「ピヨピヨピヨピヨピヨピヨ」」」
一同「!?」
おそ「な、何だこの数!? 多すぎじゃねぇ!?」
チョロ「これ本当に十四松……?」
カラ「普通にキュートなひよこに見えるぞ」
一「いや……確かに十四松だ。アホ毛が一本立ってる」
おそ「マジで!?」
チョロ「よく気付いたな一松……」
トド「確かにひよこはふわふわしてて可愛いんだけどさ、このままにはしておけないよね」
おそ「とか言いながら撫で回すのな」
カラ「家の外に出たら大変なことになりそうだな……」
チョロ「この数の面倒を見るのはちょっと……」
一「猫にねらわれるかも」
トド「どどど、ど〜しよう、おそ松兄さん〜」
おそ「…………よし、決めた! 明日から卵料理は無しにしよう!」
トド「は?」
チョロ「えっ?」
十四「!?」
おそ「やっぱ、食えるなら肉がいいだろ? 十四松もこうなっちまったことだし、俺から母さんに提案しとくよ」
トド「……そっか。残念だけど、まあそろそろ飽きてきた頃だしね」
チョロ「え、え?」
一「だってよ、十四松」
十四「そ、そ、そんなの嫌だー! せっかく美味しい温泉卵ができたのにーーー!!」
おそ「な、何だ? 十四松が光って……融合した!?」
トド「元に戻った! よかったぁ、十四松兄さん」
十四「トッティ! みんなも、温泉卵食べよう! 美味しいよ〜」
一同「おう!」


カラ「ハードボイルドな俺には半熟は似合わないかと思っていたが……モグモグ、それにしても美味いな」
チョロ「とろっとした口当たり……これならいくらでも食べられそうだよ!」
一「他の卵料理もよかったけど、これもなかなか……」
おそ「すげー旨いじゃん! トド松、十四松! これからも毎日作ってくれよ」
トド「(ニッコリ)僕だってめんどくさいし、もうここまでにするよ」
十四「そうなの!?」
トド「母さんに作り方を伝えておくから。付き合ってくれてありがとう、十四松兄さん」
十四「僕も! おいしかっタイムリー! ありが特大ホームラン! ピヨッ」
おそ「まだ名残が!?」
十四「あ、口の中に一羽残ってた〜」
トド「もうそれ手品か何かだよ!」

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