雨空の下にぶらさげて


 ザーーー

おそ「雨降ってると、パチンコに行くのも面倒だよな〜」
チョロ「まったく……他にやることないの」
おそ「そうだ! だったら、雨の日らしいことしようぜ!」
チョロ「は?」
おそ「他の奴らは何してるかな〜。おい、チョロ松も来いよ! もう読み飽きただろ? 求人」
チョロ「読み飽きるとかそういうものじゃ……って、人の話を聞け」


トド「十四松兄さん、ハンカチで何やってるの?」
十四「へへー、バナナ! じゃーん」
 むきむき
トド「ああ、角を真ん中に折って作るやつ。子どものころやったな〜。って、食べられないからね、十四松兄さん」
十四「早く雨止まないかなあ」
トド「……! だったらさ、一緒にてるてる坊主作らない? 僕、余った布集めて来るよ」
十四「うん! あ、一松兄さんもやろーよー」
一「…………」


カラ「てるてる坊主を作ってるのか、一松」
一「十四松が作ってた。今はトド松とどっか行ったけど……ていうか、クソ松には関係ないだろ」
カラ「つれないこと言うなよ、ブラザー。俺もてるてる坊主作り、手伝おうじゃないか」
一「…………あのさぁ、何で雨の日でもサングラス?」
カラ「……(スッ」
一「(あっ、やっぱり意味なかったのか)」


おそ「なぁんだ、もうみんな始めてるんじゃ〜ん。お兄ちゃんにも声かけてくれよ〜」
カラ「一松が楽しそうに作っていたからな」
一「だから俺は十四松に誘われて」
十四「ねえ、これトド松のてるてる坊主!」
おそ「何だこれ。柄もの? レース付き?」
トド「コラージュで余った布切れとかを再利用したんだよ」
おそ「いやいや、女子力高いのはわかるけどコラーゲンをどうやって使うんだよ」
トド「コラーゲンじゃなくて、コラージュ!」
カラ「フッ……俺も、出来たぜ。トッティと同じく布の端を使ってみた」
トド「その布どこで買った!? いったいよね〜」
一「俺も出来た」
十四「僕もー!」
トド「一松兄さんの暗っ! 呪い人形みたいなオーラ出てるよ! 十四松兄さんは、うん、野球ね」
一「それと猫のやつ」
トド「ちゃんと猫耳まで付けてる……」
十四「わ〜、一松兄さんのもう一つのてるてる坊主、どんどん服が伸びてるよ〜」
トド「やっぱり呪われてるじゃん〜!!」
 わーわー ドタバタ
チョロ「プッ……晴れの日も雨の日も騒がしいったらないよね」
カラ「チョロ松……」
チョロ「そんなに楽しそうだったら、僕も作らないわけにはいかないな。てるてる坊主」
おそ「お前……!」
トド「えー、別にいいよ。チョロ松兄さんクソダサいし」
チョロ「おいコラ」
おそ「てるてる坊主といえばやっぱティッシュだよな! さすがシコ松!」
チョロ「ブン殴るぞ!!」


おそ「でーきた、っと」
トド「えぇ〜、へのへのもへじって……」
おそ「何だよ、王道だろ。なあチョロ松」
十四「本当だ! チョロ松兄さんのも、へのへのもへじ!」
トド「でも、チョロ松兄さんの方がどことなく困った顔になってない?」
おそ「同じ顔なのに何で違って見えるんだ、ププッ」
チョロ「う、うるさいなあ」
カラ「サングラスを描いてみたらどうだ?」
チョロ「よし、じゃあグルグル眼鏡を描こう」
一「はい、これさっきの余った布。顔描き直すのに使って」
チョロ「ありがとう一松」
一「呪われてるけどね」
チョロ「わあああ!自分の、自分のティッシュ使うからいい!」
トド「これでみんな一通り完成かな」



トト子「雨の日でもおでかけするのが私!水を得た魚〜♪ 水も滴るイイ女〜♪ なんてね、ウフフッ
……あら? おそ松くん家の軒先に、個性豊かなてるてる坊主! またあの六つ子か〜……
フフッ、私も帰ったら久々に作ってみようかな」

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