夢は叶う
夢があった。
世界中を旅して、色んなところで友達を作って、みんなを呼んで盛大なパーティーを開催する。
そのあと素敵な恋人と結婚して、華やかな人生は一旦終わり。ゆったり時間が流れるのどかなところで幸せに暮らして、幸せに死ぬ。
「マスターは、願いはありますか」
「願い?」
隣で同じ星空を眺める天草が静かに問う。
「夢ならあるよ」
「どういった夢ですか?」
冷たい風が二人の間に吹いて、私は肩にかけてある天草の外套をぎゅっと握った。
「ほとんど叶っちゃったんだけどね。あとは恋をして、その人と結婚して、幸せに暮らすっていうのがまだ残ってるかな」
「それもきっと叶います」
叶わなければ許さない。耳がその呟きを拾った。一体誰を許さないんだろうか。
隣を見上げると、彼の瞳が星空を映していた。
2019/2/2
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