高校一年 04/14(月)
本日4月14日。何故か四天宝寺高校はいつにも増してざわめいていて、なんだかお祭りみたいだった。女の子たちがそれぞれ手にかわいらしく装飾された袋を持っていて、まるで青学でのバレンタインデーを見ているみたい。早苗ちゃんも今日は朝からぴりぴりしていて、休み時間になるとすぐに白石くんのところに飛んでいく。何だろう、とは思ったものの、首を突っ込もうとは思わなかったから、とくに詮索はしなかった。
そのまま部活の時間になり、だんだん慣れてきたマネージャー業を淡々とこなす。仕事に慣れるのは早いけど、やはり先輩たちに話し掛けられると、あがってしまってうまく言葉が出てこないことも多い。今日のわたしの担当はドリンク作りと球拾いの手伝いで、人前で配ったり回収したりするから、少し憂鬱。でも、明日は裏方だから頑張ろう!、と意気込んでドリンクのもとを取りに部室へ向かっていると、やはり一段と騒がしいテニスコートが目に付いた。女の子たちが黄色い声を上げ、ひたすら白石くんの名前を呼んでいる。あまりの必死さに、若干引いてしまった。
「…ちっ」
まさかの舌打ちにびっくりして横を見ると、早苗ちゃんが不快感丸出しにしながら、回収してきたタオルをスーパーの買い物かごに積み上げていた。泥と汗で色あせたタオル。早苗ちゃんはとりあえず、テニスコートの周りに張り付く女の子たちが気に入らないのか、すごい形相で睨んでいた。
「だ、大丈夫…?」
「ほんま腹立つわ、あいつら。」
そっか。白石くんは早苗ちゃんの彼氏だから、きっと女の子たちがキャーキャー騒ぐのが気にくわないんだろうな。かわいいなぁ、早苗ちゃん。そして、あたしがタオル洗いに行っとるあいだに絶対あいつら…、とぶつぶつ悔しそうに言った。
「あ、じゃあわたしがタオル行ってきてあげる!」
「えっ!?や、悪いし、ええよ。」
できればわたしもそっちの方がいいのです。なるべく人目につかない裏方で仕事をしたいと思うわたし。自分でも情けない。
「う〜ん…、じゃあ、当番、明日と交換しよ?」
これでもわたしは一応、空気は読める方です。朝からぴりぴりしてるのも、きっと白石くん関係なんだろうし、だったらわたしは早苗ちゃんの友達だし、代わってあげたい。
「…ほんま、おおきに!明日はあたしが洗濯行くから!」
「うん!じゃあ、ドリンク作りお願いします。」
「おん!任せときっ!」
タオルが詰まった買い物かごを両手で持ち上げ、わたしは早苗ちゃんから離れた。グラウンド横にある水道。近道は、あの校舎の裏…