高校一年 04/14(月)


白石たちが校門で待っとるから、と言って早苗ちゃんと一緒に急いで着替えて小走りで向かった。するとそこは今までにないくらい盛り上がっていた。ワイワイしていて、入りにくかったけど、早苗ちゃんは構わずに突入。


「お待たせー!」
「早苗やー!」
「おん、久しぶりやん、金ちゃん!」
「お久しぶりっス、折原先輩。」


だ、だれ!また新たに知らない顔が二つ増えている。わたしと同じくらいの目線の高さで赤髪の子と、もう一人は赤髪の子とは違って黒い学ラン(この学ラン、青学、って言うか菊丸くんの制服姿を思い出すな…)を着ていて黒髪のつんつんで、このカラフルな髪の集団内では逆に目立つ。って!ピアス!多ッ!あ、黒髪にする替わりにピアスをカラフルにしたのか、納得。そしてこの疎外感、何とかしてほしい。これ、帰っていいんだよね…?


「あー!ちょっと舞どこ行くん!今日たこ焼きパーティーやで?」
「……はい?」


目が点になる。早苗ちゃんの言葉の意味がまったく分からないんだけど。何も言えずに固まっていると、小春ちゃんがぽんと肩を叩いてきた。


「今日蔵リンの誕生日やねん。」


たんじょうび。誕生日。それはもしかして、生まれた日、つまりお祝いすべき日なのでは…。そして同時に今日の女の子たちの騒ぎように納得。早苗ちゃんが白石くんにつきっきりだったのにも納得。


「あっあっあの!たた、誕生日おめでとう…!」
「おん、おおきに。」


白石くんは目を細めて優しく笑ってくれた。誰かの誕生日祝うのなんて、初めてだ。あ、いや、今日誕生日なんだ祝ってよ弥栄さん、みたいに言ってくる子はいたけども。なんて言うか、友達をこうやって祝うのは…わたし、白石くんの友達になれてる?


「なぁなぁ!姉ちゃん誰や?」


ぼけっと考えごとをしていると、目の前に赤髪の子がやってきた。大きな目をぱちくりしている。か、かわいい!弟とはまた別のかわいさだ。でも、初対面なのには替わりない。人見知り体質が効いたのか、ものすごくどきどきしている。そしてわたしが口をぱくぱくさせて何も言えないのに気付いた早苗ちゃんが代わりに言ってくれた。


「この子はねー、新しいマネージャーやねん。舞っていうんやで。」
「ほへーマネージャーか!早苗と一緒やな!ワイ遠山金太郎いいますねん!よろしゅう!」


わたしは再び口をぱくぱくさせ、言葉が突っ掛かったのでぺこりと頭を下げた。その時に、一氏くんが後ろの方で、まだ行かんのー?と愚痴をこぼしているのが聞こえた。あれ、どこ行くんだっけ?


「ワイら、誕生日はみんなでタコ焼き食べに行くんや。舞ちゃんも行くやろ?」
「えっいいの?や、でも…」


誘ってくれるとは思ってなくて。最初に思ったのはそれ。本当に行ってもいいのかな。そりゃ、わたしだって行きたいけど。少しは慣れてきたとは言え、知らない人もいる訳だし、それにみんなの邪魔になっちゃわないかな、とかいろいろ。でも、


「ごちゃごちゃ言わんと、はよ行くで!」


でも、一氏くんの強引な言葉で、そんなネガティブな考えも霧散。嫌そうな一氏くんの表情のはずなのに、どうしてこんなにドキドキしてるんだろう。すごいな、一氏くんは。


「うん!行くっ!」


わたしはきっと顔が緩んでいるんだろうな。元気にそう答えると、みんなも笑顔をくれた。小春ちゃんが、今日のタコ焼きパーティーは舞ちゃんの歓迎会も兼ねてやな、なんて言ってくれて、その前方を歩く早苗ちゃんと白石くんが揃って、せやな!って頷いてくれた。わたし、幸せすぎて死ぬかもしれない。