「このクジで決定するのは、狩る者と狩られる者。この中には25枚のナンバーカード、すなわち今残っている諸君らの受験番号が入っている。今から1枚ずつ引いてもらう」


ふむ、つまり互いに戦うような試験になるということか。
受験番号を引くということは、自分の受験番号が周りに知られるのは良くないな。ナンバープレートをしまっておこう。


「それではタワーを脱出した順にクジを引いてもらおう」


ヒソカが前へ出てクジを引いた。
それに続いて私もクジを引き、元の位置へ戻りながら番号を確認する。

(198番……この人に狩られるのかこの人を狩るのかわかんないけど、誰だ?)


「今、諸君がそれぞれ何番のカードを引いたのかはこの機械に記憶されている。したがってもうそのカードは各自自由に処分してもらって結構。それぞれのカードに示された番号の受験生が、それぞれのターゲットだ」


なるほど、まだ知らぬ198番さんは私のターゲットなのだ。

「奪うのはターゲットのナンバープレート」

命を奪うなどの恐ろしいルールでなくてよかった。
やはり殺生は遠ざけたいものである。

「自分のターゲットとなる受験生のナンバープレートは3点、自分自身のナンバープレートも3点、それ以外のナンバープレートは1点。最終試験に進むために必要な点数は6点。ゼビル島での滞在期間中に6点分のナンバープレートを集めること」


私ははたと気付いた。
私がターゲットを殺さなくても、私を狩る人が私を殺すことだってありえるし、1点分ばっか集めちゃえーって奴が殺人狂なら遭遇した途端に殺されるかもしれない。
かなり危ない試験なのではなかろうか。
しかもサバイバル生活…。



















* * *

「いたいた、ゴンだ!」

「…ココロ」

「よ」

キルアがやって来た。

「お前ら何番引いた?」

「………キルアは?」

「ナイショ」


「「「………」」」


沈黙の後、私達は顔を見合わせて笑う。


「安心しろよ、オレのターゲットはゴンじゃない。でもココロが何番かは知らないから分からない」

「私は406番だよ」

「じゃあ違うな」

「オレもキルアでもココロでもないよ」

「私も2人じゃない」



「せーので見せっこするか?」


「「「せーの!!」」」



キルアが199番、ゴンが44番。


「や、やだァ〜!!」

「…マジ?」

ヒソカがゴンのターゲットだなんて…。
私はどっちを応援すればいいの。

あ、1点分のナンバープレート集める方法もあるし、どっちも合格するかもしれないか。


「お前クジ運ないなー」

「やっぱり? キルアの…これ、誰の番号だっけ?」

「やっぱしわかんねー?」

「でも私のターゲットとひとつ違いだよね…」

「まあ一緒に行動してる確率は低そうだけどな」


キルアがめんどくさそうな顔をする。

「他の奴の番号なんか全部覚えちゃいないもんな。説明聞いてから周り探して見たんだけどさ、もうみんなプレート隠してやんの。せこいよな──」


キルアがゴンを見つめたまま動かないのを不思議に思って、私もゴンを見た。

ゴンは、震えていた。


「それ、武者震い?」

「うれしいのか怖いのかどっちなんだ?」

「両方…かな。これがもしただの決闘だったらオレに勝ち目はなかっただろうけど、プレートを奪えばいいってことなら何か方法があるはず。今のオレでも…少しはチャンスがある。そう思うとさ、怖いけどやりがいはあるよ」

「……そっか」

なんだかこの年下の少年がすごくたくましく見えるような気がした。


「ま、がんばろうぜ。生き残れよ、ゴン。ついでにココロも」

「私はついでかよ!キルアったら生意気言いやがってェ」

親指を立てるゴンとむくれている私を背に、キルアはスケボーに乗って離れていった。




「ゴンってさ、私以上の野生児だよね」

「うーん、まあそうだね。どうしたの?」

「いやー、この試験、サバイバル生活でしょ?ゴンってそういうの得意そうだから、羨ましいなーって思ってさ」

そりゃまあ都会暮らしの人達よりは自然に詳しいけどもね、と笑ってみせるとゴンは、

「もしも試験中に会えたら、食べられるものとか教えてあげるよ。余裕があればだけどね!」

といい笑顔で言ってくれた。


ゴンはすっごくいい子だ。是非ともハンター試験に合格して、立派なハンターになってほしい。










第4次試験開始まであと少し。