「貞比呂さんって兄貴と同期なんですよね?」
突然オーリが言う。
「あぁ、そうだが。どうした?」
「ってことは名前と知り合いなの?」
マキナも話に入って来る。
「まぁ、そうだな。」
オーリは少し躊躇いながらはなす。
「ってことは、貞比呂さんは名前の.....その、初恋の相手なんですか?」
「は?」
オーリの言葉に、貞比呂は驚く。
どうしてそうなるのか分からないと言った表情でオーリを見る。
「名前さんが、昔一緒に修業していた人の中で慕っていた人がいたって言ってたから。」
「それで、俺....かと?」
オーリは頷いた。
貞比呂は困った表情をする。
「正直、俺には分からない。あいつは...名前は昔からいろんな奴に人気だったからな。特に、俺らの中ではな...」
「シンクは、優しいからね。」とアキラが口を挟んだ。
「だけどあいつは、仲間が傷つくのを嫌ってるが自分が傷つくのは厭わない奴だ。そこが昔から心配なところだな。」
マキナとアキラは頷いた。
「だからこそ俺らは、名前を護りたいって思ったんだろうな。まぁ、当の名前は誰を見ていたかは分からないな。」
「そういえば」とマキナが口を開いた。
「景世は名前に告白したことがあるって言ってたわ。」
「で、なんて言ったの?」
貞比呂の肩がビクリと動いたのを目の端で見ながらオーリは聞いた。
「『ごめんね。』だったって。」
ふーんとアキラは笑みを浮かべ貞比呂を見る。
一方貞比呂は少し安堵の表情をしている。
「なのに兄貴、毎日アタックしてたんだ。」
「で、名前が『私はぶっきらぼうなあの人が心配で仕方がないから』って。」
マキナが言った最後の言葉に目を見開く。
そして信じられないといった顔をする。
「貞比呂、もしかして気づいてなかったの?いつも名前がどんな目で貞比呂見てたのか。」
アキラが呆れた表情で貞比呂を見る。
貞比呂は顔を手で隠し、後ろを向く。が、耳が赤いように見える。
「おめでとうございます。貞比呂さん。」とオーリが言うと、貞比呂はうるせぇと言って歩いて行った。
(オーリ君にマキナちゃん、久しぶりね)
(あ、名前さん)
(あれ、貞比呂もいる。どうしたの貞比呂、顔赤いよ?)
(な、なんでもねぇ)
(???)
(ふふふ)
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2010.06.19
(2011.05.15 修正)
modoru