電気を消した部屋の中で、私は部屋の住人を待っていた。
部屋の住人とは今人気の声優−朝日奈椿で、私の彼氏である。
彼、毎日会いに来てくれた。
会えない日は、メールや電話をしてくれた。
椿はとても優しくて、私はそんな彼が好きだった。
だけど最近気がついた。
私が彼の負担になっている。
彼は人気声優。
仕事も多忙を極めている。
なのに椿は私に会うため休む時間や家族と過ごす時間を全て削ってくれたのだ。
−ごめんなさい、椿
貴方の
自由を...幸せを...
奪って
だから私は−
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「・・・何言ってるんだよ、名前」
帰ってきた椿は驚愕の表情を浮かべて名前の前に立っていた。部屋の外の僅かな明かりが名前の足元を照らしていた。
「何?...今言った通りよ。私、もう貴方に飽きちゃったの。人気な声優って言うから面白そうって思って付き合って見たけど・・・普通でつまらなかったわ」
「名前、嘘だろ!!俺の負担になってるとか思って離れようなんて考えてるんじゃ!!!」
「自惚れないでよ。」
そういって名前は薬指に嵌めていたリングを椿へと投げつけた。
「っ!?」
「ほんと、これだから嫌なのよ」
流石に椿も、黙ってしまった。
−ごめんなさい、椿
貴方は優しいから私の考えにも気づいてしまうでしょう?
だから、私は貴方を突き放すわ
貴方の記憶に綺麗なままで居たかったけれど
貴方の為なら、自分が悪役なる−
黙った椿の横を通り抜け名前は玄関の扉を開け、さようならと言った。そのさようならはどこか震えていた事に気がついた椿は止めようと振り向いたが扉は閉まるところだった。
最後に閉まるドアの隙間から見えた名前の表情は椿には、何だか苦しそうに見えた。
アイゆえの別れ
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私自身は、こういう話しあんまり好きじゃありません。ヒロインちゃんが身勝手な気がして...とひっそりつぶやく。因みに何愛ゆえの別れかは....。
modoru