ハイウェイ

 真夜中の運転は目的ではなくて、ただの手段。少なくともわたしにとっては。助手席のシートをいつもより深めに倒せば、腰にかけられる彼の上着。冷えるから。たされたことばが優しくて、この人は、わたしが眠ったとしても、起こすことはないのだと知っていて。
「寝てていいよ」
 笑みが滲んだ横顔は、もうこちらを見ていなかった。踏み込まれたアクセルを振動で感じながら、ちいさく悪態をつく。眠ってしまうのは、わたしに安堵を与えるきみのせいだ。