「あれ、加賀美くんじゃん」
「緑仙さん。久しぶりです」
収録の待ち時間に声をかけられた。大きなピンク色の瞳と中性的な声。緑仙さんと事務所で会うのは、ずいぶん久しぶりだった。
「ろふまお?お疲れさま」
「あ、お疲れ様です。緑仙さんも収録ですか?」
「いや、マネージャーさんと打ち合わせ」
嬉しそうに顔をゆるめる緑仙さんに、意和感を覚える。
「実はね……」
この人はこんな風に笑うんだっけ。
体が落ちる感覚で目が覚めた。背中が痛い。ベットから落ちたようだった。体を起こしながら、隠すように額に手をあてる。
「……ゆめ、か」
床に足をつけて、カーテンを開けた。まぶしいくらいの晴天。思わず目を細めた。
今日は6月8日。あの人が世界でいちばん輝く日。