ライバー活動を、音楽を、ふとしたときに諦めたいと思ったことがある。歌ってみたが思うように伸びなかったり、アイデアが何も出てこなかったりしたときに、それはとても強く感じる。そう思った時に、あの言葉がいつも僕を支えてくれる。
「さっきはピコ太郎との対談が夢とか言ったけどさあ。ゆめおいの夢は、みんな知ってるアーティストの横に立つことなんだろ?」
再確認するような声だった。いつもの声とは違う声。
「え、うん。そうだね。僕の夢は、有名なアーティストと同じ扱いをうけることだよ。もちろん、ピコ太郎さんもすごい人だけど。」
「だったら、その夢を叶えるまでここにいろよな。」
通話中の緑仙のアイコンは小さく光っていた。
「お前は、ゆめおいかけるだろ?」
「……そうだよ。僕は夢追翔だよ。」
耳に入る声の震えに気づかないふりをする。そうだよ、緑仙。僕は夢追翔だよ。いま思い返すと、その日は緑仙の同期が卒業した日に近くて、自分の同期がだんだんといなくなっていく恐怖が、緑仙にはあったんだと思う。お前は、いなくならないよな。そう答え合わせするための言葉。
「夢追は、ずっと夢追いかけてろよ」
「え、それ、あたしの夢は叶わなくない??」
軽くなった空気にほっとする。それから、固く手を握りしめた。君もだよ、緑仙。君もどこかにいかないでくれ。怖いのは夢追もだ。だって、僕は緑仙よりよわいんだから。
どうか、ずっとここにいてくれますように。ずるいとわかっていながら、そんなことをただ願っていた。