誕生日、おまけにクリスマスイブにオフなんて、滅多にない。

なのに、なのに…
起きたらなんか体ダルくて、熱計ってみたらまさかの高熱。自分でも笑っちゃうよ。



『あ、相葉ちゃん、誕生日おめでと!』

「わざわざ電話ありがとね〜」

『今日オフでしょ?いいなぁ』

「あぁ……うん」


熱があることは言わなかった。
だって、芽依に心配かけたくねえもん。
それにソファーで寝ちゃって風邪引いたなんて、恥ずかしいし!


『あ、でも調子乗って撮られないようにね』

「撮られねえよ!」

『あははは』

「芽依は今日仕事でしょ?」

『ん?うん。もうそろそろ休憩も終わり』

「そっか…」


風邪引いたときに人肌恋しくなるってよく聞くけど、まさにその通りだ。

芽依に会いたい。


でも芽依は仕事で、しかも今日はクリスマスイブなんだから、終わってからだってきっと予定がある。

「じゃあ頑張ってね。うん、また。…………ハァ」


溜め息と共に、携帯をソファーに向かって投げつけた。


色々と考えると虚しくなった。
体もダルいし、頭も働くなってきたし、もう寝てやる!












昆布かな。鰹節かな。
とにかくイイニオイが鼻を擽って、俺は目を覚ました。

ていうか本当に寝ちゃってたんだ…。



「あ、起きた?」


え?


「調子どう?顔色はまだ若干悪いけど」

「え、え?」

「あ、体温計?ちょっと待って、持ってくるから」


会いたいなんて思って寝たから、夢を見てるのかな。

じゃなきゃ可笑しいよね!お玉を持った芽依が目の前にいるなんて。


「…あれ?痛い」

「はい、体温計。…って、何でほっぺ抓ってんの」


どうやら夢じゃないらしい。


「え、芽依何でいるの…?」

「電話したとき変だったから来てみた。言ってくれれば良かったのに」


自分なりに隠し通したつもりだったのにな。
些細な違いにも気付いてくれて、家まで来てくれる芽依の優しさに、なんだか泣きそうになった。


「あ、一応お粥作ったんだけど、食べる?」


芽依がそう言い終わると同時に、タイミング良く俺のお腹が鳴った。
…そういえば朝から大した物食ってないや。


軽く笑ってから、芽依は「持ってくるね」と言ってキッチンへと消えた。



「ていうか自分の誕生日に熱出すなんて、本当ミラクルボーイだよね」

「うるさいなぁ」

「ふふふ」

「てか芽依、予定あったんじゃない?大丈夫?」

「あー、気にしないで。別に今日じゃなくたっていいもん」


いやいや、クリスマスイブだから誘ったんでしょ。
誰か知らないけど、ごめんね!


でも、その予定を断ってまで俺ん家に来てくれたって考えたら、すげえ嬉しくなった。

他の女の子だったら脈ありってことなんだろうけど、芽依もそうだと考えるほど俺はバカじゃない。
芽依にとって俺は“大事なメンバーの一人”。

それはわかってるけど。たとえメンバーとしてでも、芽依が俺を優先してくれた事実は変わらないから。



「あ、プレゼント何がいい?」

「…今日来てくれただけで充分だよ」
「え?何?」

「うーん、じゃあ、もんじゃ焼きセット!」

「えぇ!それニノに買ってもらうんじゃないの?」

「あ、そっか」



芽依が作ってくれたお粥はなんだか温かい味がして、作った本人みたいだな、なんて思った。





相葉ちゃんおめでとう!