たとえばこの現場を撮られたりしたら、浮気ってことになるのだろうか。
いや、だけど彼女も芽依なら信じてくれるはず。いくら俺が好意を持っていても、付き合うことはないのだから。



なんか旬くんと2人って、ご無沙汰な気がする


大好きなチーズをつまみに、グラスを進める芽依。


「実際ご無沙汰じゃん」

何人かでっていうのはちょくちょくあったけどね

「潤とか斗真とかね。今日はみんな都合悪かったんだ?」

いや、聞いてない。たまには2人もいいでしょ?

「…へぇ」


つーか、その発言はやめてくれ。
自分を見失ってしまいそう。

昔、芽依のことが好きだった。
だけど今はちゃんと彼女を愛している。何だかんだで彼女が一番だ。

なのにその決壊が壊れてしまいそうで。

もうこれ以上彼女を裏切るわけにはいかない。



芽依の首にかかっているネックレスが、小ぶりなわりに目に入る。


「…それ」

え?

「そのネックレス」

あぁ、うん

「ペア物だよな?」

…まぁ


ペア物ってことは、つまり、そういうことなわけで。


「この業界の人?」

…うん


元々、恋愛でそんなに浮かれたりはしないタイプだけど、この歯切れの悪さはちょっと異常だと思う。
何か、後ろめたいことがあるんだろうか。


「いつから?」

12月のはじめくらいから、かな

「まだそんな経ってないんだ」

うん、結構最近だから

「クリスマスは?一緒に過ごした?」

ううん、向こうは地方行ってたし、相葉ちゃんと過ごした

「あぁ、誕生日だし」

そうそう


彼氏が誰かは特定できないけど(するつもりないけど)、クリスマスに彼女が他の男と過ごすこと、快く許したんだろうか。
いや、相手は芽依だ。これくらいのことでグチグチ言ってたら、愛想尽かされると思って我慢してるのかもしれない。大変だな、芽依の彼氏も。

…って、俺は何を他人の心配してんだよ。


「潤とかニノは知ってんの?」

知らないと思うよ、わざわざ報告とかしないし


そうだった。嵐って仲は良いけど、それぞれの恋愛事情についてはあまり話さない。特に芽依には。
前にニノに聞いたら話してもしょうがないでしょ、女子高生じゃないんだからって言ってた。それだけが理由じゃないだろうけど。

ただ、意外とそういう噂って広まったりすることあるから、みんな耳にはしてると思う。



旬くんは?今年もハワイ行ったんでしょ?

「あぁ、うん」

ワイドショー凄かったよ
「らしいね」

てか斗真一緒とかずるい!私もハワイ行きたかった!

「嵐さん忙しいじゃん」

それ斗真に失礼だよ


ケラケラ笑う芽依を見て、思った。

どうか、彼氏が芽依を幸せにできる男であるように、と。

俺はもうその役割を担うことはできないから。
だから、願うよ。





君の幸せを願う