それから智久は「心配だから泊まる」って言って泊まってくれた。私を安心させるために同じベッドで抱き締めながら寝た。あ、そういう行為どころかキスもしてないよ。ただ、私が眠るまで起きててくれた。


私は智久に約束させられた。一つ目は辛いときはすぐに電話する。二つ目は仕事が落ち着いたら必ず引っ越して携帯も変える。そして一番大事と言われたのが、毎日無事に家に着いたら連絡をすること。過保護だよって笑ったら「心配なんだよ」って言われて少し照れちゃった。




***




智久との約束も毎日守り続けて5日経った日。

今日は私だけピンのお仕事で他の5人は一緒らしい。いいなあって思う反面、この前みたいに色々と突っ込まれたくないから良かったって思う自分もいた。



「着いたよ」

あぁ、ありがとう


いつもより少し早めに終わって、マネージャーに家まで送ってもらって。一人で家にいる時間を減らしたくて誰かと呑みに行けば良かったなって思ったけど、マネージャーの車で送ってもらうことのほうが安全だと考えてやめた。



‥あれ、


ここ数日は毎日のように入っていた赤い封筒が今日はなかった。嬉しいことのはずなのに、嫌な予感がするのは何故だろう。
‥駄目だ駄目だ。いい加減ネガティブな考えはやめろ芽依!きっとまた前みたいに周期が戻っただけなんだよ。それか飽きてくれたとか。



今日も無事に帰れたよ、なんて携帯をうちながら鍵をさす。ガチャリと音がして扉を開けた瞬間、何か強い力に腕を引っ張られた。携帯が玄関に落ちる。


「おかえり、芽依」

その声‥っ!


玄関で待ち伏せして私の部屋に入りこんだこの男こそ、私を苦しめていた奴だった。


「ねぇ、どうしてこんなことしたの?」


その男がヒラヒラと写真を靡かせる。‥その写真では私と智久が抱き合っていた。


「芽依は俺のモノなのに‥‥ねぇ、なんで?」



恐怖で声が出ない私に痺れをきらして掴んでいた腕に更に力を入れ、寝室まで連れて行く。
ベッドに投げ出され上に跨られたところでようやく声が出た。



いやっ、やめて!!

「“やめて”?なんで?俺達愛し合ってるんだから」

違う!そんなんじゃない!


ジタバタ暴れても男女の力の差なんて歴然としていて。ビリィッとすごい音をたててTシャツを破られた。


そして、男の顔を見たとき、ようやくわかった。どうしてこんなにもセキュリティーが万全なのに、私の家の前まで来れたのか。それは、






「ずっとこうしたかったよ、芽依‥」







この人がこのマンションの警備員だったから――






身近なところに敵あり