ドアの前で大きく深呼吸をする。横には“嵐様”の文字。



あの日からどれくらい経っただろうか。恵梨香と携帯ショップに行った日からちょくちょくとメンバーや智久といった男の人と積極的に電話をするようになった。最初の頃は短めでなきゃ過呼吸が起きたりしてたけど、今では長電話も平気になった。現に昨日も相葉ちゃんとくだらない話で盛り上がったばかり。


そして、今日。みんながいる楽屋に入ろうと思う。少し怖いけど、みんななら大丈夫な気がするんだ。



もう一度深呼吸を繰り返してゆっくりとドアを開ける。



え、芽依!?


既に5人全員揃っていて、これまた5人全員が私を見て目を丸くしている。翔ちゃんなんか目飛び出しそうだよ。ただでさえ目大きいのに。



おはよ。遅くなっちゃったけど



‥もう、平気なの?

昔から人一倍私のことを気にかけてくれた相葉ちゃん。今回も例外ではなく、頻繁にメールをくれていた。電話での相葉ちゃんとの会話が楽しくて、あのときのことをあまり思い出さなくなったんだよ。


今日も芽依の楽屋用意してもらってあるよ?

私個人の楽屋のことを最初に提案してくれた潤くん。犯人がマンションの警備員だったって話したら殴りに行ってやるって言ってくれたよね。さすがに止めたけど、嬉しかったんだよ。


また無理してるんじゃないでしょうね?

恵梨香にあんなメールを送っていたニノ。翔ちゃんからあの冷静なニノが本気で怒ってたって聞いたとき、不謹慎だけど嬉しかったよ。


急がなくていいんだよ?

律儀に毎日、今日の出来事を日記のようにメールくれた翔ちゃん。精神的に安定するものを調べてわざわざ送ってくれたよね。どこまでお母さんなんだか。でもね、嬉しかった。


おいら達、どれだけでも芽依を待つから

ずっと私の居場所を作っておいてくれたリーダー。いつでも私が安心できるような言葉をかけてくれた。時には一緒に泣いてくれたよね。その温かさに救われたんだよ。


私にはこんなにも素晴らしい5人がいる。ううん、5人だけじゃない。智久だって恵梨香だってマネージャーだって、他にも大好きな人はいっぱいいる。だから私はもう、大丈夫だ。



もう大丈夫だよ。心配かけてごめんね


前みたいに笑ってそう言ったら、私の大好きな笑顔でみんなも笑ってくれた。





笑顔、再び