日光の観光を楽しんだ一同。
しかしこの番組がそれだけで終わるはずがない。

本日宿泊する予定だという旅館に連れて来られたものの、見るからに何か出そうな雰囲気だ…。

中島「今回宿泊して頂く旅館はあちらです!」

「これまたあれなんじゃないの?」

「嫌な予感しかしない」

中島「見ての通り、これは実は廃旅館なんですね」

「こんなとこ泊まんねぇよ、俺帰る!」

「俺も帰る」

へたれ櫻井を先頭に帰ろうとするメンバーを必死に止める中島。

「前回肝試しやったって聞いて俺本当に北京行ってて良かったと思った」

松嶋「意外と怖がりなの?」

「いや、俺マジでやだ!ガチでやだ!マジでガチでやだ!」

櫻井が五輪の応援のため北京に行っている間にも残りの5人は似たような企画をやらされていたのだ。
そのとき一番ビビっていたのが、女の子である芽依を抑えての二宮だった。芽依もものすごいビビりようだったが、叫ぶというよりはずっと泣いていたからである。

そして今回も怖ーい話が用意されている。話し手は勿論、ダイノジ大谷ノブ彦である。

大谷「いや〜ちょっと今日はねぇ、ホントになんでここにしたのかなっていう。ここは本当にいわくの非常に多いところですから」

「いいって、本当にマジで」

「やめようよ」

大谷「では、あちらに移動してください」

そして恒例の、大谷による怪談話が始まる。



大谷「――ここは心霊現象がまだ年に何回かあると言われている場所なので、ホントになんでここまで来たのかなぁって僕は吃驚してる」

「やめようよー、もう」

そのとき、林の中からパーン!とシンバルを叩く大きな音がした。
雄叫びをあげるメンバー達。

中島「菊ちゃん!…何してんの?」

「脛打ったって、菊ちゃん!」

中島「さあ、ここでグループ発表です」

「ここでやめませんか?」

中島「やめません、はい。まずは櫻井くんと相葉くんと渡辺さんチーム。2組目が松本くんと二宮くんと大野くんチーム」

「すいません」と芽依が手をあげた。中島は「質問ですか?何でしょう」と問う。

「メンバーチェンジ希望します」

中島「どなたを?」

「相葉ちゃんか翔ちゃんとリーダーをお願いします」

前回の様子を見て、大野とまわりたいのだろう、芽依は言った。確かに相葉も櫻井も頼り無さそうだ。

中島「生憎ですが異議は認めておりません」

「えー!中島さーん!!」

「翔ちゃんと相葉さんじゃ嫌だって」

「コレに関しては仕方ないことだと受け取ります」

「うん」

内容は渡された人形を祠に置いてくるという至ってシンプルなものだった。



最初は櫻井・相葉・芽依の3人。

いくら怖いと言ってもさすが男、横並びになり芽依を真ん中の位置にしてあげた。人形は芽依が抱き締めている。

「これね、いきなりですけど…何かあると思います、僕は」

「そういうこと言わないでよー…」

重い扉を開け、3人は恐る恐る足を進める。

「失礼しまーす」

「…うわぁ、怖ぇ」

暫く進んで行き廊下の途中まで来た。すると横の箪笥の引き出しが飛び出してきた。

「「うわーっ!!」」

「キャー!!」

「…びっくりしたー!2人とも、こんな感じ?」

「こんな感じ。…芽依大丈夫?」

「うん、」

モニターを見ている松嶋が「もう芽依ちゃんやられとる!」と笑う。

「うわっ、階段だ!別に普通か」

「階段普通かな」

先程からビビりまくっている櫻井が何かを踏んだ。

「うわっ!なんだこれ!…あ、別に普通だった」

「もう!いちいち吃驚させないでよ!」

「ごめん。…うわっ、ピアノかな?机かな?何か置いてある。進んだ方がいい?」

「進むよ」

「あれ?行き止まりくね?」

「間違えた?道」

「扉開けんのか?」

どうするものかと立ち往生している3人は気付いていないようだが、目の前には電話が置いてある。そしてその瞬間、急に大きな音でその電話が鳴りだした。

「「うわっ!」」

「ひゃぁ!」

「全然気づかなかったこの存在。でるよ?」

相葉が鳴り続けている電話を取る。

『大広間を抜けてトイレへ行け』

「えっ?真っ直ぐってこと?これ全然何言ってるかわかんない。通路を何?」

『ト・イ・レ!』

相葉に代わって櫻井が受話器を受け取る。

「もしもーし……切れたくせー。トイレ行けだって」

中々進もうとしない3人の背中を押すかのように天井からお化けが突き抜けてくる。

「「うわーっ!!あぁーあー!」」

「キャー!!」

お化け「早く行けー!うおーっ!」

「うわー、なんだこれ!」

「行きます行きます!」

「うわぁ!やめろよ!!」

お化けに促されるようにして入ったのは大広間。中央に人が通れるくらいの細さの足場があるだけで、他は布団で埋め尽くされている。そしてその布団もなんだか盛り上がって膨れているようだ。

「うわぁ、うるさいうるさい!」

「うわぁ、もうやめて」

「早く行こっ、」

突然、布団が動き出した。3人は悲鳴をあげながら必死に足場を走り抜ける。

「うわーっ!!」

「いやー!!」

「うおーっ!!」

やっとの思いで大広間を抜けた3人は、既に憔悴しきっていた。

「やべ〜やべ〜やっべやべ〜やべ〜やっべ」

「もうやだぁ。ホントにやだ俺」

「帰りたいよぉ、」

「やっべ。どっち?これ」

「うるさい!」

「どっち?これ」

「あ、あれ書いてある」

大広間を通り抜けトイレに辿り着いた3人。扉を開けるだけの作業にも勇気が必要だ。

「俺開けるよ?」

「うん」

中に入っても脅かしてくる存在は何も無いようだった。しかし、櫻井が貼り紙に気付く。

「“手前のドアを2回ノックして中を確認しろ”…相葉ちゃん、2人でやろうぜ」

「本当?」

「え、私はいいの?」

「いいよ。…あー、ちょっとトイレ行きてぇ」

「先する?でも確認してからだったら絶対できないと思う」

「でも最中に来られたら多分撒き散らすことになると思う」

「やだ、もぉー…」

モニタールームの2人は大爆発。松嶋に「アホちゃう?」と言われる始末だ。

「わかった、じゃあ大人な意見に賛同するよ。2回トントンするよ?」

「じゃあ1回やって?俺1回やるから」

2人がトイレのドアをノックして中を確認するが、何もいないようだ。安心したのも束の間、入り口のドアからダイノジ大谷が扉を破って入ってきた。

「「うわーっ!!」」

「キャー!!」

「うぉー、びぇー、ぼうー!もうーっ!」

大谷「お話がまだ足りてなかったんで」

「もうや〜め〜て〜よ〜。ホント今ちょっともれてないかな?」

大谷「さ、こちらへどうぞ」

大谷に案内され座り込む。そして、また怪談話の続きを始めた。芽依は体操座りをして俯いている



大谷「――さぁ、話を聞いていただき。続きですので。えー、この後ですね、外の祠に行くためにですね、そちらのドアを開けて行かないといけないんですけど、こちら、鍵がかかっております。鍵はですね、こちらの階段を上がった部屋にある、壷の中に入ってます」

櫻井が「大谷さ〜ん。俺行けねぇよ…」と弱音を吐くが、大谷は「行っていただかないと!」とはね返す。

すっかりと戦意喪失してしまった3人だが、仕方なく壷を目指して階段を上っていく。ここで何か出てきたらどうしよう、という恐怖が3人を包む。

「上に壷があって…壷なんて無いじゃん。階段で脅かすのは無しにしようね!落ちるから、ホントにね」

「この中の部屋ってこと?俺行こっか?」
「行ける?翔ちゃん。俺大丈夫だよ?」

「私から行こうか?」

「いや、いいよ。お前もう泣いてんじゃん」

「芽依は俺らに着いてこればいいから」

「…ごめん、ありがとう」

そうして部屋に入ると、坪が3つ置いてあった。

「じゃんけんする?」

「ていうか、どっちか選んでさ」

「いっせいのせいで入れよ?」

「芽依いける?無理しなくていいよ?」

「ううん、大丈夫」

それぞれがどの坪にするか決めてから“いっせいのせい!”という掛け声で一斉に手を入れた。

「――やっ!!」

「うわー!吃驚した!」

「うわぁーっ!」

芽依が坪の中に潜んでいた手に捕まれて抵抗している。それに気付いた2人も離そうと引っ張る。

「血まみれだし…もうやだぁ」

「鍵あったから早く行こうぜ!」

「芽依行ける?大丈夫?」

「大丈夫、」

部屋を出て歩き出すと廊下の窓にお化けが現われた。

「うわぁ!」

「キャー!」

「わー!!うわぁ、来た!」

先程のお化けだけでなく他のも出てきて挟み撃ちにされてしまう。

「相葉ちゃん早く鍵開けて!」

「これ!?これじゃないっ、何?!あっ、翔ちゃん開かない!!ちょっと待って待って待って!!」

「ちょ、貸して!」

気が動転した相葉は鍵が見つからない様子。近付いてくるお化けを見て櫻井と交代する。

「やだやだ!ごめんなさいごめんなさい、許してください!!」

「まじ待ってってば!待って待って!まじ待って!うわぁー!翔ちゃーん!!まじごめんって!」

「あ、開いた!」

絶叫しすぎて声が枯れてきた3人。ここでやっと旅館を抜け出し裏庭にある祠へ。

祠の前まで来ると、またしても貼り紙が。“人形供えて手を合わせろ”という内容を櫻井が読み上げる。
指令通り芽依が人形を供えてみんなで手を合わせる。

「これでいいんだよね?」

「行こ」

3人が踵を返そうとしたとき。
どーん!と音がして湖から大量にお化けがでてくる。

「うわー!」

「うおーっ!!」

「キャー!!!」

「うおー!うおー!」

あまりの怖さに櫻井は2人を残して先に行ってしまった。残った2人も走るが叫びすぎて疲れてしまった芽依と相葉の距離は開いていく。見かねた相葉は芽依の腕を掴んで走り出した。

櫻井・相葉・渡辺組終了。



松嶋「お疲れ様」

中島「おかえり〜」

“ただいまー!”と肝試しを終えた3人が戻ってきた。

「僕ら見てないけど」

「どうだった?」

「いや全然。1回目より大したことない」

「どうだったんですか?初めて体験して」

「火事場のクソ力っていうのは本当にすげぇんだなってことがよくわかった(笑)」

「この人足超速いんですよ(笑)完全俺と芽依置いてかれたからね」

「…ちょっとすいません」

そう言うと二宮は端っこで黙り込んでいた芽依の腕を掴んで真ん中へと連れて来た。

「芽依生きてる?」

「…死んでる」

「いやいやアナタ、死んでたら返事出来ないからね(笑)」

松嶋「まぁでも、芽依ちゃんよう頑張ったと思うで」

モニターで一部始終を見ていたオセロの2人は芽依の頑張りを認めていた。泣いてはいるものの、逃げ出すことせず最後までやり遂げたのだ。

「うわー、行きたくねぇな」

既にやり終えた3人にも見送られながら、大野・二宮・松本も旅館へと入って行った。

予想通り大野は全くビビらず、二宮もそんな大野がいたからか前回と比べて殆ど叫んだりせず、松本も少し驚くくらいだった。




中島「さぁそれでは、そろそろ参りましょうか。嵐の中で誰が一番根性なしなのか、そのキングを決める時間がやってまいりました!」

「私以外考えられない」

「いやぁ、でも俺もだいぶ叫んじゃったし」

「そんなこと言ったら俺だってかなりやべーよ」

中島「それでは発表します!嵐で一番根性なしなのは……相葉くんです!」

「え?!」

「やったぁ!」

中島「ちなみに相葉くんが29回。渡辺さんが27回。櫻井くんが20回。二宮くんが4回。松本君が2回。大野くんが0回。という結果です」

恐るべし大野智。

「いや、でも俺自分で俺の方が多いと思ってた」

「俺も翔ちゃんのほうが全然多いと思ってた。少なくとも芽依よりかは少ない自信あったのに!」

「私も今吃驚してる」

中島「最後の鍵あけがクライマックスでしたよね」

「あそこで相当吠えてたから(笑)『翔ちゃん、もうお願い!』って丸投げしてたからね」
松嶋「芽依ちゃんも相当騒いでたけど、あれは叫んでたっていうより泣いとったからな」

前回もあまりの恐怖により叫ぶ気力もなく泣き続けてチャンピオンにならずにすんでいるし、何かと得をしている。

中島「近くで見てて芽依ちゃんどうやった?相葉くんのビビり具合」

「とにかく賑やかでした」

「まぁ普段から騒がしいからね」

「でも何かと守ってくれてかっこよかった!」

「芽依…!相葉ちゃんは嬉しいよ!」

「じゃあ今日は相葉さんの奢りということでこのあと何処か行きましょう!」

「ちょっと待って、なんの話!?」





ビビリ王決定戦