『おー、芽依ー!元気してるかっ!?』

…元気だけど、酔いすぎじゃない?

『そんなことねえよ!ひゃっほーい!』

(完璧酔ってんじゃん)

『ちょっと隼ちゃん代わって……もしもし芽依?』

裕典?

『おう。今さ、隼ちゃんと飲んでるんだけど、良かったら芽依も来ない?』

んー、明日も撮影だしなあ

『…隼ちゃん奢ってくれるって』

そういうことでしたら行きましょう。どこ向かえばいい?

『ハハッ、えっと―――』













………にしても酔いすぎじゃない?


電話したときよりも酷い状態になった隼士は、デカい声で歌っている。
カラオケ付きの部屋だから良かったものの、普通のところだったら迷惑極まりない。


裕典も止めなよ

「止めても聞かねえんだもん」


そういう裕典もかなりの量を飲んでるっぽい。


とりあえず私もウーロン杯を頼んだ。

連日の撮影で疲れた体にはアルコールが必要だ。明日もドラマ撮影があるけど、そんなに飲み過ぎなければ影響は無いし。



この2人といると、自然と理くんのことを思い出してしまう。


目を閉じれば『Paradise kiss』の現場が浮かんでくる。

…あれからもう1年か。
あのときはまさか理くんと付き合うなんて、思ってもみなかっただろうな。
ずっと一緒にいれば自然と打ち解けていくわけで。
隼士はこんな性格だし、裕典は元から知ってたから、仲良くなるのには時間がかからなかった。

もちろん理くんも。

その当時は知らなかったけど(直接顔は合わせてないから)デビュー作が『白夜行』だし、その話でも盛り上がったっけ。



「ほら、芽依も歌えよ!」

ちょ、酒臭…


勝手にA・RA・SHI入れてるし…。抜かりない奴だよ、本当。


私歌わないよ、これ

「はぁ!?何でだよ!」

プライベートでまで嵐の曲歌いたくないもん

「お前、嵐大好きじゃねえのかよ!」

それとこれとは話が別でしょ!?


ああ、もう。酔っ払いの相手ってマジで面倒くさい。
裕典もケラケラ笑ってないで助けろっつーの!
















「あーあ、芽依潰れちゃったし」

「早くね!?」

「どうすんの。明日もドラマらしいし、そろそろ送ってかねえと」

「あぁ、それなら適役を呼んどいた」


ガチャッ

「ったく、隼士!何だよ急用って」

「え、理ちゃん」

「おぉ、裕典もいたんだ…って、」

「芽依潰れちゃってさー。明日も仕事らしいから送ってってやってよ!」

「……ハァ」

「ちょっと、何だよ溜め息ー!最近会えてないだろう2人にプレゼントだっつうのに」

「…俺ら別れたから」

「…へ?」

「だから、俺ら別れたの。まぁでも一応送ってはいくよ、心配だし」

「……」

「……」

「じゃ、お前らもあんま飲み過ぎんなよ」

バタン


「なあ、裕典」

「…何?」

「もしかして俺ら、余計なことしちゃった?」

「…多分」





酔っ払いのお節介

(てか何で別れたんだろ)
(まあ、色々あるんじゃね?)