こんなにも忙しい誕生日は、31年目にして初めてだ。


微かに揺れる車内で薄れていく意識の中、そんなことを考えていると、ポケットに入れていた携帯が震えた。

それは、友人からの誕生日を祝うメールだった。もういちいち祝う歳でも無いのに、有り難いんだか余計なお世話なんだか。


そういえば収録が終わって急いで移動の支度したから、しばらく携帯見てなかったなあ。
確認すれば、他にも何件かのメールと11時26分に着信が1件。


次の現場まではもう少し時間がかかりそうだから、かけ直してみる。



『…もしもし』

「あ、芽依?俺だけど」


“芽依”という単語に反応したマネージャーと、ミラー越しに目が合った。なんとなく、ニヤケているような気がしなくもない。


『ごめん、さっき仕事中だった?』

「うん。だから出れなかった」

『そっかー。あ、誕生日おめでとう!』

「おぉ、ありがと」

『11時26分に言いたかったんだけど、残念』

「11時26分?」


11時26分に何かあんのか?
芽依ってよくわかんねえこだわり持ってるからなあ。


『…え、もしかしてわかんない感じ?』
「?うん」

『…相変わらずリーダーってボケてるねぇ』


おいおい。芽依には言われたくないぞ。
ニノや翔くんなら納得できるけどさ。(松潤は抜けてるとこあるし、相葉ちゃんは言わずもがなって感じ)


『もぉ〜、今日は何日ですか』

「今日?11月26日――あ、」


11月26日。
11時26分。

そういうことだったんだ。


ドラマの撮影で忙しいはずなのに、細かいところまで気にしてくれてたことが、すげえ嬉しい。



ドラマの撮影中というのは間違ってないらしく、「芽依、撮影再開するって〜」と言う大島優子ちゃんの声が俺の耳にも届いた。


「再開すんの?」

『あ、うん。だからそろそろ切らなきゃ』

「わざわざありがとね」

『いーえ。今度会うときまでに欲しい物決めといてね』

「くれんの?」

『今まであげてたのに今年はあげないとかは無いよ』

「ふふ、そっか」

でもね、芽依。
俺、プレゼントなんていらないよ。

これからも芽依が俺らの隣で笑ってくれればそれでいい。嵐のメンバーとして、これからも一緒にいたい。
それが最高のプレゼントだよ。




リーダー誕生日おめでとう!

(31歳になったからには、バラエティーでもっと喋るようにしようね!)
(うーん)