読み切り短編集

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「尻尾、ちょっと相談があるんだけど」

『何ー?』

「まぁその前に。今日なんの日か知ってる?」

『え?』





「とゆーわけで、 トランプしよっか!!

「「「「なんで!!?」」」」



こちら誠凛高校バスケ部、部室ーーーー




部活が午前で終わってさぁ帰ろうとしたところ、カントクが乗り込んできて「トランプしよう」と言い出したところです。

あ、実況は黒子です。




『リコちゃんが言うには「たまには息抜きも必要でしょ!」だってさ』




マネージャーである尻尾さんがひょっこりと部室のドアから顔を出し、表情を変えずに言いました。



「いやいや意味わかんないし」

「そもそも俺ら部活あと!疲れてるの!」

「まーいいじゃない!やりましょ!」




僕も正直良くわからないのですが…とりあえず面倒なことになりそうだと思うので帰ります。

こんな時は自分の影の薄さに感謝しますね。



『…………何処に行く気かな黒子君』


ピシッ


「…………………」



そうでした。何故かわかりませんがこの人には僕が見えるんですよね…言い方は少しおかしいのですが。



「黒子テメェ逃げる気か!?」

「ずりぃぞ1人だけ!逃げんな道連れじゃ!」

『はい黒子君戻った戻った』



尻尾さん、恨みますよ…

そんな視線を感じたのか、尻尾さんは僕がいるほうとは逆の方向に視線を向けました。




「で、カントク。トランプっつっても何すんの?」

「んーそうねー…何か意見ある人いる?」

「決めてなかったんかい!」

『リコちゃん、ここは火神君がわかるのにしないと…ポーカーとか』

「いやオレ帰国子女だけどポーカー以外でもわかるのありますよ…?」

「寧ろ俺らがポーカーわかんないよ」

『だいじょぶ私もわかんない』

「なら言うな!!」




かれこれ10分ほどこの応酬は続きました。
僕は参加していませんよ。何をしても構いませんし、あの中に入るのは危険ですからね。

でもこの原因をつくった尻尾さんかあれに参加してないのかは不思議ですとても不思議ですね解せません




「じゃあ結局ババ抜きで…?」

「いいよいいよ早くやろー」

『んじゃ私は見てるね』

「は?何言ってんのかしら尻尾ってば」

『え?』

「尻尾も参加するに決まってるでしょ!」

『……………帰りマース』

「コラ。帰さないわよ罰ゲームの為にも」

『聞いてないよ私も参加するなんて!』

「言ってないもの。アンタ言ったら逃げるじゃない」




尻尾さんは多分うげって思ってそうですね。顔に出てますわかり易いんですあの人。




「尻尾さん」

『なに黒子君』

「さっき僕を引き止めたの尻尾さんでしたよね。やりましょう」

『のーせんきゅー。やだやらないやりたくない』

「三原則か!」

「なんの!?」




木吉先輩のボケはよくわかりません。尻尾さんも若干呆れた顔してますね(笑)





「てゆーかカントク罰ゲームってなに俺たちキイテナイ」

「もう!言う気無かったのに…」

「尻尾は知ってるんだろ?なんなの?」

『黙秘権を施行します』

「正しい判断ナイスよ尻尾」




結局バツゲームのことはうやむやのままババ抜きをすることになりました。



「罰ゲームってことは負けたらダメって事だよな…」

「カントクの罰ゲームってなんだろ…嫌な予感しかしない」

「パパがイヤなカントクは周りから見たらイヤな予感しかしない」

『それダジャレ?』

「厳しいな尻尾…」

「ハイそこ関係ない話しなーい。やるわよ!」

「「「「『おう………』」」」」

「つーかこの人数で?」

「やれるわよ!」




やりました。


「書くのがめんどくさい」とのことなのでここからは僕が説明します。



今、此処には日向先輩、伊月先輩、小金井先輩、木吉先輩、水戸部先輩、土田先輩、火神君、僕、降旗君、河原君、福田君の部員全員、カントクにマネの尻尾さんがいます。全員で13人です。
並び方もこのままで、円になってます。

まぁキャプテンの権限ということで、まず日向先輩が伊月先輩の手持ちのカードを引きました。



「…ま、最初は揃わねーか」


揃わなかったみたいですね。次は伊月先輩が小金井先輩のカードを引きます。



「お、ktkr」

「揃いかよ!」




揃ったんですか。一歩前進ですね…次は小金井先輩が木吉先輩のを。
そんな感じで、繰り返しました。





結果↓


一抜け、伊月先輩

二抜け、土田先輩

三抜け、福田君

四抜け、水戸部先輩

五抜け、降旗君

六抜け、小金井先輩

七抜け、日向先輩

八抜け、僕

九抜け、カントク

十抜け、河原君

十一抜け、木吉先輩





最後に残った二人は、火神君と尻尾さんです。



「罰ゲームはぜってぇ嫌だ…!!」

『それはお互い様だよ火神君』



火神君は焦っているようですが、尻尾さんは若干顔面蒼白です。罰ゲームの内容そんなに酷いんでしょうか…

2人の手持ちは尻尾さんが2枚で火神君が1枚。
火神君が引く番です。


『(ジョーカー引けジョーカー引けジョーカー引け……)』

「33333出ろ3…………」


火神君が、尻尾さんから見て左のカードに手をかけます。
尻尾さんは表情を変えません。

右のカードに手をかけます。
尻尾さんは表情を変えません。




「火神迷ってるなぁ…」

「尻尾のポーカーフェイスは破れねぇもんな…」

「今火神がジョーカー引いたら尻尾の勝ちだろうな」

「火神顔に出やすいもんなー」



先輩たちがヒソヒソ話してる間にも、火神君は右のカードと左のカードに交互に手をやって悩んでます。



「バカガミ早く選びなさい!」

「誰がバカガミだ!…です!だって尻尾先輩顔変わんなすぎッスよ!」

「尻尾はポーカーフェイス得意だからね(笑)」

「笑い事じゃねぇ!です!」

『いーからはよ引けバカガミ』

「くっ…そ、コレだ!」

『!』



…!尻尾さんが少し目を見開きました…?

バッと火神君がカードを裏返し柄を見ました。




「………っしゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」



『…………………』




「火神が勝ったか!」

「尻尾が負けたかぁ…」

「狙い通りねっ!」

「「「えっ??」」」

『リコちゃんまさか最初っから…』

「トーゼン!(ハート」

『リコちゃんのバカ………』

「何、なに何の話?」

「全くわからん」

「罰ゲームじゃないですか?」

「あー…。カントク!罰ゲームって何?」

「フフ…さ!準備に行きましょ尻尾♪」

『断固拒否』

「拒否権はないわよ!」

『誰か助けろ』


「無理だ」

「ごめん」

「頑張れー!」

「ファイトだ尻尾!」

「………………(申し訳なさそうに)」

「はは…頑張って尻尾 」

「ワリィ…です」

「頑張って下さい」

「えーっと…」

「邪魔すると俺らが不味いんで!」

「ファイトっす尻尾先輩!」


『てめーら覚えてろ』




叫ぶことはなくじろっと睨み付け、カントクに連れられていきました。


「あ!アンタ等は家庭科室で待っててね!」






ーーーーーーーーーーーーーーー




「なんで家庭科室?」

「まさか尻尾カントクの料理に付き合わされてるんじゃ…」

「いやカントクがそれ自分で罰ゲームって言うか?」

「…言わないな」


ガラッ



「カントクー」

「あれ?いなくね?」


カントクになぜか家庭科室にいるように言われ、全員で来たんですが誰もいないようです。


「なんだー?」

「料理じゃないことは確かですね…」

「じゃあなにしてんだ…?」




全員で唸りました。正直僕をわかりませんね‥



ガラッ




「お待たせー!ちゃんとみんな来てるわね!」

「お、カントク」

「あれ、尻尾は?」



カントクが来ました。けど、尻尾さんの姿が見当たりませんね…



「心配ないわよ!ちゃーんとおめかししてあるからっ(ハート」

「おめかし?え?」

「尻尾ー!入っていいわよ!」

『………………』

「こら尻尾!」

『……嫌だ』

「…カントク尻尾に何したの」

「服着替えてもらっただけよ!あ、伊月君ジャージ借りたからね」

「…通りで見つからないと」

「早く入ってきなさいよもー!」

『嫌だってば』

「…もう!」




カントクがドアをあけて、尻尾さんらしき人の手を引っ張ってるみたいです。あ、ジャージ…伊月先輩のを着ているんでしょうか。




『絶対ヤ!』

「負けたんだから我儘言わない!」

『引っかけたのはリコちゃんでしょ!?』

「それは別よ!」

『にゃろ…!』

「いーから早く入ってきなさいっ…てば!」

『うわっ!?』


ドタン!


カントクが勝ったみたいです。尻尾さんが雪崩込んでき、て…………………



「「「「「………………………」」」」」


『リコちゃんの馬鹿力!…あれ』

「やーもう尻尾可愛い!」

『…………!!!うぁっちょ!リコちゃん離せ!』

「「「「「…………………」」」」」

「やっだーあんたら顔真っ赤よー?」

「えっだっちょっ…なんで!?」

「かーわいーでしょー?」

「だからって…………猫耳って!!!!」



「なによー日向君猫好きでしょ?」

「もちろん好きだけど!」

『もーやだリコちゃん着替えたい…』

「まだだめよ!」

「てかカントク…そのジャージオレの?」

「そーよ!ふふ、いいもんでしょ?」


伊月先輩顔真っ赤ですね。手で覆って必死に隠そうとしてますけとバレバレです。
まぁ僕も言えた義理ではないですが。




「ふふ、いいご褒美になったでしょ!よかったー尻尾が負けてくれて」

「えっじゃあ俺ら負けてたら同じことしてたわけ!?」

「当たり前でしょ。よかったわねぇ火神君♪」

「笑えねぇよ!…です」


僕だって猫耳に誠凛ジャージにスカートなんて格好したくないです。ズボンであっても。


「ちょっと俺のジャージ着てみないか?尻尾」

「お前何言ってんだ木吉ィ!!!」

「いやだって…羨ましいだろ」

「直球すぎるわ!分かるけど!」

『もういい加減着替えさせて』

「まだだめよ。今日はにゃーにゃーにゃーの日、だからね!」


(てか伊月、あんた鷲の目使ったでしょ)
(使ってないよ。面白くないじゃん…まぁ負けそうになったら使うつもりだったけど)
(オイ)


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後無理矢理でしたねサーセン。
やたら時間かかりましたわ…疲れた_(:З」∠)_
にゃーにゃーにゃーの日、いいですねぇ猫耳…
猫耳付けてる伊月先輩欲しい。
黒子っちが若干黒い…伊月先輩のジャージ借りたのは私が伊月先輩好きだからです。好きです。

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