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大好きだった。
本当に、大好きだったんだ。
『……………ひかる、』
でも、貴男は、そうじゃなかったんだね?
「光ー!」
「なんや愛梨…やかましわ」
前までは、私だけの特権だったあの笑顔も、
毎朝一緒に登校することも、
光、って呼べるのも、
全部全部、私だけだったのに。
光が、私の親友の愛梨ちゃんと付き合い始めたのは2年に上がってすぐの事やった。
愛梨ちゃんは、可愛らしい子やった。
女のあたしから見ても可愛いし、ふわふわしとる。
頭はそないよくないけど、すごい料理が上手やった。
光の好み、ストライクの子やったんや。
あたしはそんな愛梨ちゃんが、苦手やった。
親友、とか言いよったけど、ぶっちゃけ愛梨ちゃんが勝手に言うてただけで、あたしはそないに思ったことなかった。酷い話やけどな。
や、あたしにとって愛梨ちゃんは、怖い存在やった、っていうのが正しかったかもしれへん。
愛梨ちゃん、あたしと光が仲良うしとったら凄い顔で睨んできよったから。
あたしは、光に話しかけなくなった。
光呼びも、やめた。
光のことは、ずっとずっと好きやった。
けど、その想いは伝える事が出来ひんかった。
せやから、あたしは願う。
せめて、‘‘財前クン’’が幸せになれますように、ってな。
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