1.彼女は好かれてる
くのたま教室、たった1人の6年生。
実力は申し分無し。強く気高く美しく、先生からの評価も高い。
忍たまたちと授業を受けることが多かったせいか、多少の男らしさを持ちながらも。
自分がくのいちのたまごであることに強い誇りを持つ、齢15の女の子。
そんな彼女は、後輩に愛されてる。
「先輩!こんにちはー!」
「こんにちは。1年生は元気が良いね。私も元気が貰える」
「!あ、ありがとうございます!」
きゃっきゃ。
嬉しそうな1年い組を見送って、彼女は頬を緩ませたまま歩き出す。
「尻尾せんぱーい!!」
「こんにちは!!あっ笑ってらっしゃる!!」
「今日も天気が良いですね!!」
「こんにちは。そうだね、なかなかの昼寝日和。なんだか眠くなってきた」
「先輩!俺の膝空いてますよ!!!」
「先輩!!床の用意出来てます!!」
「八左、その言い方は違うんじゃないかな」
可愛い1年生を見たあとでは、まぁ可愛いとは言いにくい。前方から飛んできた(と言ってもいい位のスピードの)5年生を受けとめ、言葉に返す、返す。
「勘、そろそろ離れなさい。お前達も4年前は可愛かったんだけどね」
「今は可愛くないんですか!」
「そりゃあ図体はでかいし声は低いし。私より身長が高くなった時点で"可愛い"とは言い難いよ」
「じゃあ格好いいですか!?」
「好きになりますか!?」
「…お前達にはいつまでも可愛い後輩でいて欲しいなぁ」
「先輩ずるい!どっちですか!!」
「勘ーはなれてー」
「勘ちゃんそろそろ先輩から離れるのだ」
「そう離れて!でも先輩は逃げないで!」
「逃げるよ。お腹空いたし」
「それなら先輩!豆腐食べますか!?」
「先輩!お菓子ならすぐに!」
「いや普通に白飯がいい」
こんな感じで、彼女は年下に愛されてる。