何とかそこそこに手を抜いて体育の授業を切り抜いた。
宮くんのジャンフロは確かにえげつなかった。
コントロールもできるため、誰も取れなかった。
これじゃ試合にならないといつしか治くんがキレて授業中のジャンフロは無しになった。
ありがとう治くん。
そして今日が球技祭前の最後の体育の授業。
最後の追い込みと称して今回だけはクラスごとの練習になった。
特に組みたい人もいないため、治と一緒にトス練やレシーブ練をする。
「バレー部と組まなくてよかったの?」
「前も言ったやん、授業まで一緒にやりたない。」
「そういうもん?」
「ん。
それに世理はなんか落ち着くねん。」
「出会って数ヶ月しか経ってねーよ。」
「こりゃもう運命やな。」
「野郎に言われても嬉しくないわ。」
思わず鳥肌が立つ。
「皆んなの治くんにこない思われてるのに贅沢なやつやな。」
「…。」
「無視はやめろや!」
「お前こそいきなり強打やめろや!」
お返しとばかりやり返したら向こうもムキになってやり返してくる。
クラスでの様子を見る限り、マイペースな食いしん坊かと思ったら結構子供っぽい所がある。
いや、もう1人の宮と双子なのだから本来結構な性格をしているのか。
こう言ったやりとりもすごく久しぶりで、自分の嫌なバレーってことをすっかり忘れていた。
昔のように戻れた気がして正直楽しかった。
「…。」
だからこの時治が何を考えてたのかも気づかなかった。
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