いつから?なんて聞かれても、覚えてないし分からない。

気付いた時にはそこに居て、オレの面倒を見てくれてた。

化け狐だの、近づくなだの、里中のみんなはオレのことをさげすんでたけど、姉ちゃんはいつもオレに笑顔を向けてくれた。

オレと居ることで受ける視線とか、言葉とか、そういうのあったと思うけど…姉ちゃんは変わらなかった。

明るくて、元気で、強くて、でもどっか抜けてて、怒ると超怖ぇけど…その分優しくてあったかい。

毎日会えたわけじゃないけど、週2回、一緒に遊んで、最後に食べる一楽のラーメンが楽しみで楽しみで仕方なかった。

オレの唯一の居場所だった。

そんな##NAME1##姉ちゃんが今でもやっぱり大好きで、忘れた事は一度もなかった。







「ナルト」

「……カカシ…先生」

「火影室飛び出してちゃったから心配したよ」







空がオレンジ色に染まった頃。

夕日が木ノ葉の里を照らし、今居る場所からは里が綺麗に見渡せる。

背後から姿を見せたカカシに少しだけ振り返り、またゆっくりと里に視線を戻した。







「あのさ…カカシ先生…」

「ん?」

「さっきは…悪かったってばよ…あんな言い方してさ」

「いや。…オレがお前だったら、多分同じことを言ってたよ」

「え??」







カカシの言葉に少しだけ驚き、今度はしっかりと視線を向ければ隣に腰を下ろし自分と同じように夕日に染まった里を見つめていた。







「おまえさ、よくここに来てたよな。##NAME1##と一緒に」

「え、カカシ先生…知ってたの?…すげぇガキの頃なのにっ」

「まあね。あいつがよく話してたから…お前のこと」

「ねえちゃんが?」

「かわいい弟ができたってな。何して遊びたいって聞くと、必ずこの…」







『必ずこの、火影岩に登りたいって言うんです!それでね、あの子っ…大きくなったら絶対火影になってやるんだーって、いつも私に約束してくれるんです』







楽しそうに、まるで自分のことのように目を輝かせながら言っていたのを思い出す。

正直誰も、あの頃のナルトが言うことには耳を貸さなかっただろうに##NAME1##はそれを信じ応援したいと言っていた。あれは本当に、心からそう思っていたのだと今のカカシには分かる。

自分の知らないところでもいつも気にかけていてくれた事に、ナルトは目の奥が再び熱くなるのを感じた。







「##NAME1##ねえちゃんと会える日って、決まってなくてさ」

「……」

「週2回。待ち合わせ場所なんてなくて、姉ちゃんがオレを見つけて必ず会いに来てくれるんだってばよ。…そんで、オレがしたいことに何でも付き合ってくれて、話も聞いてくれて、すんげぇ楽しくてよっ。…あ、そうそう!二人で秘密基地作ったことがあってさ、次の日の大雨で全部壊れた時にはめちゃくちゃ笑ってよ!」







辛いことも多かった。

里中のみんなに嫌われて、さげすまれて、バカにされて。

でも不思議と、##NAME1##との思い出を口に出すだけでこんなに笑顔になれる。

##NAME1##の笑顔も、傷を治してくれる温かい手も、全部全部昨日のことのように鮮明に思い出せる。

ナルトは話しているうちに自分の目からポロポロと涙が溢れていることに気づき、服の袖で少しだけ乱暴に涙を拭った。







「ナルト…」

「ここはさ…っ。…うぐっ…姉ちゃんとオレのっ、一番の思い出の場所なんだっ」

「ああ…」

「駄菓子屋でお菓子買いこんで、ここでっ…食ってさ…いろんなこと話してっ…くだらねぇことでも、姉ちゃんだけは…っちゃんと聞いてくれてっ…」

「……」







遊び終わった後に食べる一楽のラーメンは、何よりも楽しみだったとナルトは続けた。

料理が苦手だから作ってあげられなくてごめんねといつも謝ってくるが、そんなことよりも一緒に居れる時間の方が嬉しかったと。

カカシは泣いているナルトの頭に手を置くと、数回ポンポンと触れる。







「ぐすっ……カカシ先生っ…オレ、姉ちゃんのことが…大好きだってばよぉ…っ」

「……オレもだ」

「戦うなんて…できねぇっ…」

「…まだ、分からない事も多い。今はとにかく、自来也様の帰りを待とう」

「…うっ…うぅっ…」

「ナルト…」







夕日に染まる木ノ葉の里は憎らしいほど綺麗で、今の自分達の心の中とは別世界のようだった。

ナルトにとって、##NAME1##は自分が彼女を大切に思う以上に特別でかけがえのないものなのだろう。

カカシは熱くなる目頭を押さえ、どこに居るかも分からない##NAME1##を思い…戦うことのない結果になってくれと強く祈った。


この夕日に照らされて

(胸がつぶれそうなほど、苦しい)



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