◆◇ 小夜左文字が鍛刀された



「僕は小夜左文字。あなたも、誰かに復讐を望むのか」

 霊力の桜が舞う中で、佇む小さな子どもは言う。
 どうして、こんなにも泣きたくなるのだろう。必死に隠してきた卑しさが、がらがらと崩れた壁の内から顔を出す。込み上げるものが喉で詰まって苦しくなるくらいに。
 桜がはらはらと流れている。淡い光を放つあたたかなそれが、この場では何よりも場違いだった。

「初めまして、小夜左文字。私は此の本丸の審神者です。此度より、人の業による戦への御助力、宜しくお願いいたします」
「はい......わかり、ました」

BACK

short
GNoSIS