◆◇ 近侍の条件
「大般若は……」
「お?なんだい」
「私を斬れる、刀だね」
「……うん?なんだ、主。アンタ、俺に斬られたいのかい?」
「君みたいに綺麗な刀に斬られるのは本望だね。……じゃなくて、うん。私が道を違えた時にはどうか、斬ってほしいんだ」
「そりゃあなんとも物騒な話だなあ」
「そうだね。でも……」
「そんな顔をしないでくれよ。別嬪さんはどんな表情でも綺麗なもんだが、俺はそういう顔は好みじゃないんでな」
「はいはい、仕方ないヒトだね」
「うん、その顔は好きだ。……よし、俺は主を斬ろう」
「本当に?」
「他ならぬアンタの願いだ。主殺しの刀になるくらい他愛ないさ」
「身勝手な主でごめんね」
「いいや。……アンタは本当に、美しい御人だな」
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