◆◇ 新シリーズ没


朝、目が覚めて。
ご飯を食べて、学校に行って、課題をやって。
本を読んだり、端末を弄ったりして暇を潰して。
またご飯を食べて、お風呂に入って、眠る。

そういう一日を、ずっとずっと繰り返してきた。
つまらないこと。楽しいこと。つらいこと。面白いこと。それなりに経験しながら、生命活動を続けること、18年。
まあ、いろいろあって、一般的な同世代の子よりは、知っていることは多い。かもしれない。
いろいろあって、とか、そういうのはわざわざ語るものでもないし、割愛するけれど。
そんなこんなでわたしは昨日も同じように一日を過ごして、眠りについた。
そしていつものように目を覚まして、思ったわけだ。

ああ、もう。旅に出よう。

世間一般の平均的な考えとして、子どもは10歳になると旅に出ることを良しとされる。
勿論それは強制じゃないし、旅に出ないでスクールに通う道もあれば、自分のポケモンを持たない選択肢だって当然ある。
わたしは、スクールに通う道に進んだ。旅に出る、というのは選択肢から用意されていなかったので、その道に進むしかなかった、というのが正確なところだけれど。
そんなこんなで、今の今までスクールに通う道を進み続けているけれど、なんだか、もういいような気がしてきた。
つい先日ハイスクールを卒業して、その次に通うカレッジだってもう決まっている。でも、わたしはもう、このままじゃいられないのだと、思った。

飛び起きるでもなく、いつもみたいにしばらくベッドでごろついて、体を起こす気分になったところで起き上がる。
欠伸をすれば、涙が零れた。それはただの欠伸の涙で、感傷とかそういうものは、全く無かった。
床に足をつけて立ち上がれば、クッションの上で寝ていたレパルダスが顔を上げて挨拶をするように鳴く。

「おはよう、マオ」

名前を呼べば、立ち上がって足下に擦り寄ってくる。わたしの唯一のポケモン。かわいいマオ。
しゃがみ込んで全身を撫で回しながら、首元に顔を埋めてみる。そして、内緒話でもするように言ってみた。

「一緒に行こう、マオ。世界を、見つめに」

わたしの言葉を理解したのか、そうでもないのか。マオは応えるように、元気よく、鳴いた。

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