「うわぁ…キレイ…」
「綺麗なンだけどよォ…人が多すぎて人を見にきたような感じじゃねェか?カップルばかりで流石クリスマス前の金曜だなァ」
「情緒!情緒がないよ!カップルにとって雰囲気大事だから!そして私たちもその一員だからね?」
お互い仕事が終ってから彼氏の実弥くんが運転する車で向かった先は先日イルミネーションが始まったと情報番組で特集が組まれていたフラワーパーク。
テレビ効果もあってか周りにはいちゃついてるカップルばかり。
「タケ。はぐれるといけねェから」
と、実弥くんは少し乱暴に、けど優しく私の右手を握り自身のコートのポケットに突っ込んだ。
ああ、温かい。心が冷たい人は手が温かいというけど、実弥くんは心も手も何もかも温かいなぁ。
イルミネーションやライトアップされている木々花々を見つつ、話しながら進んでいく。
「やっぱ日が落ちると寒ィな」
「コート着るくらい寒いんだったら、その丸見えなセクシー胸元のボタンを閉じなよ」
「…それはできねェ相談だな。首元が詰まるの嫌なんだよ」
「風邪ひいてもしらないよ?」
「そうなったらタケが看病してくれるんだろ?」
「うーん。気が向いたら看病するね」
「ははっ!なンだよそれ!」
ポケットの中で握られてた手が少しまた強く握られ、ポソッと耳元で呟かれた。
「看病、してくれねェの?」
顔に身体中の血液が集まったかのように熱くなるのを感じた。
「風邪なんてひかないでしょ?」と文句言うために右側に立っている実弥くんを見上げようと顔を上げると頬に一瞬柔らかいものが触れた。
「ちょっ…!?実弥くん?!ここここんな公共の場で…」
「みんな自分達に必死でこっちなんて見てねェよ」
「そんなぁ…」
「だから、ほら、改めてこっち向けェ」
「テレビでよくみる顎クイだなぁ」「私たちも周りのカップル並みにいちゃついてんなぁ」なんて他人事のように思いながらも、近づいてくる実弥くんの顔に、これからされるであろう唇への口付けに、期待して受け入れようとしている私がいた。
こっちを見て
short
top