新学期

「よし、大丈夫。なんとかなる!」


新しく仕立てたスーツに袖を通す。
着なれてないからか少し動きづらいけど問題ない。


今日から新しい生活の始まりにわくわくしてる。反面不安だけど…


せっかく掴んだチャンス。
思う存分楽しまなきゃ!


少し大きめのバックに荷物をたくさんつめて玄関を出た。



これはとある学園の保健室の先生と数学教師の物語。









たとえば君が









「マツタケ先生は新しい養護教諭の先生だー。くれぐれも保健室でサボらないようになー」



ただいま入学式の真っ只中。
すごい先生らしからぬ先生に適当な紹介されてる。




「じゃ、一言どうぞ。ド派手になー」




へ?


何がどうぞなの?と思ってみると手招きされている。


あ、い、さ、つ、し、ろ



だって!?




いやいやさっき紹介だけって言ってたのに!
いきなりのことでフリーズしてしまう。
あたふたしていると、みかねた近くの鮮やかな髪の毛の先生が小走りで寄ってきてくれた。






「大丈夫だ!自分のことをアピールするんだ!」








こそこそ話体制で来たかと思いきやそこそこの大音量。

まわりの人に聞こえてるはず。
ガッツポーズまでついてきた。
そして黄色い声も少々。なんでかな?



でもよかれと思ってこの先生は助言してくださったのだろう。



「は、はい!」




おそるおそる階段を数段上がって舞台の真ん中へと向かう。

そこから見ると生徒の数がすごい。
改めて見渡すとこの学園の規模の大きさに足がすくむ。

人前はとても苦手だ。




「、、マツです。養護教諭としてこの学園の生徒たちとこれからたくさん関わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。」




おじきをすると拍手が聞こえてきた。
よかったー!無事終わった!!



アピールはできなかったけどうまく言えた!

教師になったんだ。
こんなことにも徐々に慣れないとね。




そのまま生徒たちを見ずに早く壇上からおりたくて足早に向かう。





階段に差し掛かったときだった。



ずるっと階段を踏み外した気がした。




慣れないスーツのせいか
はたまた焦っていたのか
どちらも当てはまる理由。


このままじゃ転ぶ!





と思った時だった。




「う…わ…!」




あれ?痛くない?







ガシッと捕まれた腕に支えられてギリギリ転ばずにすんだみたいなんだけど。




横を見るとそれはそれは大層怒ってらっしゃる方が腕を掴んで離さない。
青筋がたってる。怖い。








「「キャーーー!!」」






生徒の方からなぜここでキャーーー!がでるの?とか色々思ったけど。




この怒り心頭で鋭い目をした人から


目が離せなかった。







この人先生なの!?







end






















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