クラスマッチ

「次の人〜!」





学期末。



テストも終わって夏休み前のクラスマッチが行われる。
2日間クラス対抗なんだけど、これがまた怪我人続出で!


みんな鬼の形相で勝ちを取りに行っている。



私はと言うと、体育館の本部の横で打撲、擦り傷の手当てに追われてどこが勝ってるとかわからず過ごしている。



誰か手伝って!!







たとえば君が






「疲れた…」


バタ…と体育館に設けられている長机に突っ伏す。夏休み前だから体育館も暑い暑い。


持ってきていた水筒も既に空になっていて、でも自販機までが遠い…





水分取らなきゃと重たい足取りで急ぐ。
あと30分後には午後の部が始まる。




立ち上がろうとしたとき、フラッと足がもつれた。


今日は生理2日目ということもあってお腹も背中も重たい。
常備薬も取りに行かなきゃ




「おーおー派手に疲れてんなー」



「宇随先生」



相変わらずガムを噛みながら働いてるなんて信じられないけど皆容認である。



「大丈夫か?」


「はい、大丈夫です。ちょっと疲れただけなんで」



軽くお腹を押さえながらもここで宇随先生に構ってる暇はない。



軽く会釈しながらそそくさとすり抜けたかった。




「…生理か?」



ドキッと肩が羽上がる。
後ろを向くと通常通りの宇随先生が?を頭に浮かべている。


体育館の暑さにシャツの肩の袖を捲っていて、より筋肉が強調されていてちょっと…とか思ってる場合か!



「な…!女性にそんなこと聞くなんて!」




「いや一応先生だからよ、なんでか知らねぇけど生徒がよく相談してくるから分かんだよ」




そういって冷たい水と鎮痛剤くれた。


あ、これ私がいつも使ってるやつだ。



や、優しい!優しいけれども!



「そんなこと知られたら恥ずかしいじゃないですか…!」



「別に?だいたい保健室で休憩してるからタケのことはよく分かってんだよ。ブツブツ一人言多いしな」






え!!そうなの!気づかなかった!
余計なこと言ってないかなぁ…気を付けよ



まぁ宇随先生は男性だけど割りとサクッと喋りやすいのかな。
女性の求める解答を知り尽くしてるというか。

生徒たち宇随先生には色々とオープンなのかも。
よく保健室で休む子も恋ばなを宇随先生に相談するって話してたし。



薬を飲んでしばらく談笑してたら痛みが落ち着いてきた。


「ありがとうございます、お陰でご飯取りにいけそうです」




「おぶって行ってやってもいいんだぜ?」




「遠慮します!!」





※※※※





お昼を済ませて戻るとガヤガヤと生徒たちが集まっている。クラスごとの点数表をみていると、やはり三年が強い。


特に煉獄先生と不死川先生のクラスが接戦だ。きっとこれからある最後の競技のクラス対抗リレーで優勝が決まりそう。




「不死川のクラスには負けない!俺のクラスは強い!」



「今にみてろォ…優勝は貰ったぜ…」



バチバチと火花が走る担任同士と、そのバック。いや、おかしくない!?
生徒以上にむきになっている。
ちょっと可愛い。




「よーい、」



パァン!と、勢いよくピストルが鳴った。

3クラスある3年の生徒が走っている。



先生はどこで走ってもいいみたいでトップバッターに煉獄先生がいる。



不死川先生はというと…最後らへんかな?アンカーではなさそう。


爆裂に早い煉獄先生がぶっちぎり1位で帰ってきた。



あれは反則でしょ!


そういえば、冨岡先生も早かったなぁ…
以外と伊黒先生も早かったよな。


宇随先生は本気だしてない感じだった。





中盤まで煉獄先生のクラスが1位できている。
あ、不死川先生にバトンタッチ。




はっや!!!


半周以上差のあるB組へとどんどん近づく。


がんばれ、がんばれ、と応援するも、追い付くまであと少し。

あとちょっとなのに!!!


「ーーーー!頑張れ不死川先生ーー!!」



気づいたら熱が入ってて本部から応援していた。




一瞬不死川先生がこっちをみたような気がしたけどそんなわけはない。



こんな人数の中だ。
私の声なんてすぐにかき消される。



自分でも驚くくらい必死で応援していた。





「…クソがァっ!」


あと少しというところでバトンタッチ。
ついにB組とC組は接戦のままアンカーへとまわった。






「「ピピーーーー!!」」









優勝旗を手にしているのは煉獄先生のクラス。
不死川先生のクラスはというと、アンカーの子が転んで3位。




大泣きしている生徒をみたこともないような笑顔で慰めていた。






こっちまで泣きそう、

胸が熱い








end



























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