休日出勤


「おはようございまーす」




シーーンとしている職員室に一応顔をだす。
誰もいない。
そりゃそうだ、部活が始まる前。


教頭先生は開けて帰ったな?
休みだから当然か。



桜は散ってしまって葉桜になっている。
朝の心地よい空気がとても気持ちいい。




「よし、今日で終わらすぞ!」






たとえば君が







保健室の鍵をとって昨日のまんまにしていた部屋に一度ため息。
頑張ろうと思って今日はチョコを買ってきた。1粒食べる。



このペースだと昼過ぎに終わればいいほうだなぁ。美味しいお昼を食べたいからお弁当とか持ってきてないし。





涼しいうちに頑張ろう!





「ふぅ…ちょっと休憩しよう…」


給湯室にコーヒーを作りにいく。
お気に入りの激甘ココアのスティックを持ってきた。氷をもらってアイスココアにしよう。




マグカップを持って向かうと人影が。
部活の先生かな?



「おはようござ…」



「なんだ…おまえか…」




コピー機の前でプリントをしているあの先生。今日も残業なのかな?


「昨日はどうも…先生も残業ですか?」




「…別に。」



そっけない!別にいいですけど!

もくもくと刷りながらコーヒーかなんか飲んでる。






「お前…急ぎの仕事あんのかァ…」



「へ?」




急ぎと言われたら急ぎだ。
月曜日配布だから。
でもシール貼るだけだし…


「終わんのかァ…」



「はい、たぶん昼過ぎには…」



そういうとすごく大きな舌打ちされた。



「持ってこい…」




「へ?」



どうしたのかな?私の仕事に不手際でもあるのかな?そうだとしたら大変だけど…







「いいから持ってこいっつってんだァ…」




いきなりのお怒りモードに私も怖くてそそくさと容器とシールをとりに行った…






「これですけど…」





そういって持ってきた容器とシールを置くと、手にとって貼ってくれている。



「あ、あの、お仕事あるんじゃ…?」



なにも言わずにもくもくと作業するのでとても驚いてる。
目も合わせないで。




「あ゛?いいんだよ…」





「ありがとうございます…?」








「なんで疑問系なんだよ…ったく下手くそだな…」


そう言いながら私の貼ったシールを何枚か剥がして貼り直された。



失礼!と思いながらも手伝ってもらって助かってるからなにも言い返せず。






一言も喋らずもくもくとすること2時間。


あっという間に貼りおわった。


沈黙が辛かったけど!





「ありがとうございました…!」



目の前の山積みだったものが見事にきちんと整理されている。あとはこれを朝一で配るだけだ!




嫌な人だと思っていたけど正直助かったー!




「朝配るのかァ…?」




「はい!」




すると、何やらメモをし始めてコピーをしだした。




「これ切って貼りゃァ机に置いといて大丈夫だろ」




紙には゛月曜日配布です、よろしくお願いします。マツ゛と書いてある。



「すごい…ありがとうございます」






そこまで貼って、各クラスの担任の机に置いていく。
手元には名前のわからない先生のひとつだけ残った。



これは直接聞いてから渡そう…間違ってたら相手に失礼だし…


そう思って抱えていると、ひょいと取られた。






「へ?」



「なんだよ…」



「もしかしてあなたが、しなずがわ先生ですか?」




まさかね!?




そういうとニヤッと笑って鍵をかけだした。







「おら、さっさと帰るぞ」








end










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