やっぱりやなやつ


「マツ先生これいつ回収?」



「一週間後の月曜日にお願いします」



朝礼で各クラスの保健調査の説明をしたあとにチラリと前を見ると何事もないような顔で座ってる不死川先生。


3年の担任だったのかー、とか
割りと几帳面にシール貼ってたな、とか
色々思ってたけど


本当に助かったからありがたかった。





「あの!」



思わず呼び止めると顔はこっち向かないでピタリと止まる。




「チッ…今忙しいんだよ…」



そう言いながらクラスの名簿を片手にシッシッとされて出ていった。




やっぱりやなやつ!!!!











たとえば君が










「マツ先生大変だったな!」


「煉獄先生!」


手にはたくさんの大荷物を運びながらいく方向が同じなので並んで歩く。
こうやって見るとかなり大きいんだな…
威圧感?熱血感?だと思ってたけど!



「何か持ちましょうか?」



「問題ない!前任の先生は色々と苦労していたから少し心配していた。」



眉毛の垂れる先生が新鮮でちょっと笑いそうだった。かわいくて。



「仕事中にはとても終わらなかったんですけど…土曜に不死川先生が手伝ってくれて…」




「不死川が?!」



かなり驚いた反応をしてる。




「珍しいな、不死川は仕事が早いからな。今まで休日に仕事で来ることはなかったぞ!」




「そうなんですか!?!?」



やっぱり何かしなきゃいけない仕事があったに違いない!
手伝ってくれたなんて申し訳ないな…やなやつだけど…




「マツ先生、ちょっと」




廊下を歩いていると教頭先生に呼び止められた。なんだろう…



「すみませんちょっと、いってきます」





※※※※※







「初めての就職に仕事は大変かな?」




教頭室で2人面談のよう。
緊張していると、教頭先生が笑ってる。


「そんな緊張しなさんな」



「すみません、まだ慣れなくて…」



怒られるのかな…
確かに月曜日配布なのに当日の朝にお願いするなんて仕事が遅いかもしれない。

本当ならもっと前もって…





「養護教諭は一人だから大変だよね。前任の先生も負担が大きくてね…」





そうか、前の先生も苦労したんだろうなぁ。





「早く慣れて残業しないように努力します!」



「休むのも先生の仕事だからね!しかしこの前は不死川先生が鍵当番を代わってくれて助かったよ」




校長からのゴルフ、とこそこそ話してくる。
しょっちゅう誘われてるみたい。






「金曜の夜も息子の誕生日でね、早く帰らせてくれて助かったんだよ。」






ぼちぼちするんだよ、と肩を叩かれて教頭室をあとにした。






不死川先生ももともと残る予定だったのかな?そうじゃなくて上司に頼まれて断れなかったら…




申し訳なさと自分の要領の悪さにただがっかりしていた







end










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