過保護?
「やっと、落ち着いてきたー」
ここに勤めて1ヶ月が経った。
目まぐるしい毎日甘いもの食べないとやっていけなかったけど
幸いにも気にかけてくださる先生がいる。
専門が違うか孤立しがちだけど…
やっと定時で帰られるようになってきた。
不死川先生にお礼を言わないとと思いながらも忙しくてたまに挨拶を交わす程度になっていた。
ちなみにすっかりお礼のことは忘れている。
たとえば君が
身体測定が終わったものの、毎日する仕事量はかわらない。
ここは怪我をする生徒が多い気がするので、消毒液や包帯の補充がしょっちゅうだ。
「先生たちの健康管理も仕事だろ〜?」
そういって寝に来る宇随先生にももう慣れた。いちいち怒ってたらもたないので無視してる。
次は6月の衛生習慣の指導計画だ…
梅雨時期は食中毒など流行るから…
皆お弁当だし、ここはがっつり頑張らないと
そう思いながらパソコンをつけた時だった。
「わりィ…こいつ看てくんねェか?」
挨拶はすれど話すこともなかった不死川先生が生徒を担いで連れてきた。
女の子は目がハートになってるけど…
まあしょうがない。
イケメンだもんね…
イケメンなのか?
私ったらそう思ってたの?
言われた嫌なことを思い出して撤回する。
「あー…熱があるね…昨日冷えたからかな?」
ぼーっとしてる女子生徒の熱を測ると8度はある。ここでは薬は出せないから親御さんに連絡をしなければいけない。
といってももう高校生だから迎えに来る保護者もいれば自分で帰る子もいる。
「先生…親御さんに電話いれてもらえませんか?もしかしたらまだ今から上がるかも…」
「わかった…」
それだけ言って職員室へと向かった。
女子生徒はそのまま迎えに来るまで寝かせてあげることに。
水分をとらせて横になるとスースー寝始めた。
辛そうな表情もうっすらと柔らかくなってきてほっとする。
※※※※
「わりィ…授業が入ってた…」
不死川先生が様子見に来たけどまだ寝ている。
「シーー!まだ寝てます!」
そう伝えると、おずおずと静かにカーテンを開けて入ってきた。
「熱も下がってきましたよ。お迎えはどうですか?」
「仕事中だからよォ…連絡がつかねェ。」
住所を聞くと歩いていける距離にすんでるみたい。
熱も下がってきたし常備薬持ってるみたい。
大事には至らない気もするけど…
病院には行ってほしいかも…厳しいかなぁ
「こいつの親、結構放置してるからなァ…送っていくか…」
寝ている生徒に語りかけながらハァァ…とため息をつく。
「でも高校生ですよ?友達に会ったら治ったとかでアイスでも食べに行くんじゃないですか!?」
実際私もそんな感じだった気がする!
「呑気だなお前は…」
そういう先生こそ少し過保護ではないですか?だって歩いて帰れるのに…!
「先生私の家そっち方面なんです、一緒に歩いて連れて帰りますよ。」
ぎょっとする不死川先生に引かない私。
大丈夫、たぶん話しながら帰れると思う。
するとむにゃむにゃと起き出した生徒にどっちがいいか聞いてみると歩いて帰るといったのですぐ帰る準備をしだした。
「念のため親御さんの連絡先聞いてもいいですか?繋がれば病院に連れていきます。」
いつもの帰り道の通りだからよくわかる。
この子の家は歩いて10分くらいだろう。
「ほら、今日は委員会でしょう?先生も遅くになりそうですし」
ほらほら、と保健室から不服そうな不死川先生を追い出して生徒と帰ることにした。
end