帰り道

部長の家は反対方向だというのにわざわざ家の近くまで送ってもらえることになった。



部長の車はなんと…

「SUV…!」




こ、高級車!

おそれ多い!こんな高級車乗ったことない…指紋とかつけちゃいけないと手をひたすら拭いてみた。



車内はとても綺麗でCDが何枚か横に入ってる。



「家族でよく出掛けるんだ」



運転席の上に挟んでいる写真を見せてもらった。


思わず目を疑う。



「そっくり!!!!!」







これからの2人






「そういえば義勇は、冨岡さんはどうしましたかね…?」




「冨岡?ああ、置いてきた」




置いてきた?!まあ男だからしょうがないか!酔っぱらいだったもんね。
聞いても住所も言えなさそうだし。



「彼はお酒弱いんです。すぐ潰れましたもんね」



そう話すとしばらく何も話さない沈黙が。
どうしたのかな





「親しいのか…?冨岡と。聞いてもマツの婚約者とかなんとか…」




「違います!!!!ただの幼馴染みです!」




運転する部長の横顔はとても新鮮で。
いつもと違う格好になぜかドキドキしてる。

ドキドキ?

なんで?





「そっそういえば私部長のお知り合いに大変なことを言ってしまいました…今度謝りに…」



「その必要はない。ここのところ契約がうまくいかなくてな。悩んでいた。不死川は俺の元同期。手の内も手に取るようにわかる。俺の元相棒だからな。」




「そうなんですね…」



何か因縁がありそうだったけど
同じ会社に勤めてた同期が1人
ライバル会社に行ってしまったということか



なんで不死川さんは転職したんだろう…




「あいつがいなくなって俺の業績も下がってしまってな…。矢先契約が難しくなった。だが、弱気になっては駄目だな!」



赤信号で髪をくしゃくしゃに撫でられる。




「マツのお陰で目が覚めた。ありがとう。」




そのあとまたぽんぽんとされて
胸のうちからカァァと赤くなる自分がいた。





「そうとなれば挽回だな!明日からまた作戦を立てよう」






ちょうど着いた家の前。


「ありがとうございました!また月曜日からよろしくお願いしま…」




「冨岡?」



部長の車からおりてマンションの下についた。

のはよかったんだけど。


いるはずのない義勇がそこに立っていた。






end























全く義勇めただじゃおかないんだから!

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