まさかの
「ぎ…義勇?!」
「タケ…やっと会えた…」
そういって近づく義勇に後ずさりをして蜜璃さんの後ろに隠れる。
周りのみんなは皆頭に?を浮かべている。
どうして義勇がここにいるの!
これからの2人
相変わらずの無表情に笑えない。
「2人は知り合いか?」
部長が他の男性スタッフを解放してこの部屋には部長、蜜璃さん、私と義勇の4人だけだ。
なんとも不思議な組み合わせ。
それにしても何で義勇が…
いえ、人違いですとも言えず。
「タケは俺の婚約…」
「何言ってるの!こんにゃくね、こんにゃく食べたよね昔」
苦しい言い訳に義勇1人はショックうけてる。
何が婚約よ!ほんと意味わからない
「まぁ…お互いのことはおいおい知っていくとして…」
さすが部長!助け船!
「今日からこの4人で企画を担当する。といっても2人は未経験だ。なんでも聞くように。仕事の引き継ぎは…冨岡は甘露寺、マツは俺にしばらくつくようにしてくれ。」
えっ!私が蜜璃さんと組むんじゃないの!?
軽くショックを受けていると部長は笑っていた。
「それでは、マツはこっちだ」
異動早々に部長の下につくなんて…
ちゃんとできるかなぁ…
不安を隠せないままおずおずとその大きい背中を追った。
※※※※
「これ…ですか…」
目の前に散らばった資料。
というか企画書が山積みで散乱している。
「前任がな、整理するのが苦手でな…俺も声をかけていたんだが手が回らなくて。この有り様だ。」
手に取ってみるとここ1年に企画したイベントや商品の計画やら企画したあとの反省などが無造作にまとめられている、という感じだ。
「要するにこれを整理しろと?」
「そうだ、頼めるか?」
頼めるかと言われても、するしかないでしょ!
「やってみます…」
「ありがとう。君のデスクはそこだ」
指された先は部長のデスクの一角。
人がいると気が散る、というか緊張するから1人がよかったな…
「不服そうだな?わかりやすい」
くすくすと笑う部長に申し訳なさを感じつつ。顔にでてしまっては仕方がない。
「いえ、、同じ敷地内だと緊張するので…」
そういうと部長は大丈夫だ。慣れるよ、と優しく話してくれた。
まずはやってみよう。
お給料もらってるし…
今は目の前の仕事をするしかない…!
義勇とは接触を避けられるし…
「ちなみにこれ、いつまで…」
「一週間だ。できるか?」
end