通らなかった企画
作業すること数日。
ようやく見えてきた終わりに体はくたくただけど
始めて与えられた仕事。
まぁ…前任の尻拭いだったんだけど…
ごめんね!!って明るく言われて去っていったのはこの事だったのか!と理解した
事務室卒業の面目もあるし、やるしかない!
そうして1日、また1日が過ぎていった。
これからの2人
企画書を整理してまとめるのは大変なんだけど…
読んでいるととてもとても興味深い。
例えばこのこども向けの知育玩具。
あいうえお表にボタンがついていて押すと音が出る仕組みなんだけど…
とてもいいと思うのにたくさん赤字で訂正が入っている。
目的は?ありきたり、大きすぎる、音は他にもでるのか?
提案した商品や案件にみんなの意見が加わって成り立っていることがわかる。
企画書もそうだ。
学習机ひとつにしてもキャラものだったり、座る生地の色、木の素材。さまざまなアピールポイントをどうイベントで出すか…
展示だけでは素通りだ。
何か人の足を止める何かを皆で話し合っている。
ただ単純に整理してデータ化してまとめるだけなのに。
ついつい読んでしまう。
「おもしろいか?」
「部長…!お疲れさまです」
煉獄部長は最初は苦手なタイプだと思ってたけど徐々に慣れてきた。
近くでは大きな声も出さないし、話すときもワンクッションいれてくれる。
いきなりズカズカとテリトリーに入られるのは苦手だから…
「懐かしいな…この企画」
そう言う手の先に持っているのはこどもクッキングのイベント。
子供用の包丁の販売促進のためのだったみたい。
「自分で作って食べるということがこども達にとって一番だと思ったんだが…予算と場所がなくてな!!」
まいったまいった!
そう言う部長は少し寂しそうだった。
通らなかったんだな…
「お客様にいいものを、と思う気持ちは伝わりました」
少ししわくちゃの企画書。
部長の意気込んだ背景が目に浮かぶ。
「…わ…!」
「優しいな。」
くしゃくしゃと髪を撫でる部長に驚いた。
せっかくセットしてるのに!
「それはそうとマツ、昼飯にいかないか?腹が減ってきた!」
「へ?」
この会社に勤めて数年。
誰かと昼食をとることはあったけど…
いつもお弁当だったから
休憩室で食べることが多かった。
誰かと外に食べに出るとか
ハードル高すぎる!!
「私毎日お弁当なんです!」
言い逃れようとお弁当箱を見せると、ひょいととられた。
「これは俺が後で食べる。」
はぁああ!?
「マツの歓迎も兼ねて、な?」
好きなものなんでもいい
と耳打ちされた。
断れない!!
end