義勇さん違いますよ


「終わりました…!」


何冊かになってしまったがあの山積みの資料をファイリングしてまとめてみた。



企画した日付ごとに並べてインデックスを貼っている。
それに、売上、顧客の反応がよかったもの悪かったもののデータをグラフにして、求められる傾向をだしてみた。



「凄いな…想像以上だ」


パラパラとめくる部長の目は細くなっている。きっと懐かしいものやら苦い思いでの案件もあるはず。




「……ギリギリでしたが…」


まるっと7日使ってしまったけど期限は守れたし、ほっとした。




「顧客の満足度まで見易い…さすがだな」



ポンポンと頭を撫でる部長になぜかほっこりした。




これからの2人




部長との仕事はとてもしやすかった。

まずはお喋り。
就業時間内はほとんどない。
仕事の事で話すことはあるけどそれ以外に話したことはない。


そしてお昼。
最近はよく一緒になるけどお弁当だったり外食だったり様々。
お弁当のときは必ずおにぎりかパンを買ってる。足りないのかも




3時休憩はブラックコーヒーに激甘なお菓子をチョイスしている。
甘党なのかわからないけどその組み合わせ最高だよね。
時に甘いココアとか飲んでるから以外。




そして退社は必ず時間をきっちり守ってくれる。
どうしても残業したい時に懇願したらしぶしぶ許可をくれるけど…
部長も残ってくれてるから少し申し訳ない。




「私が仕事が遅いから…」




「そんなことない。タケは素敵だ」




はっ!?一人言!じゃなくてぱっと後ろを見るとカフェルームに義勇と蜜璃さんがいた。





食べていたお弁当の卵焼きが落ちそうになる




「久しぶりね〜!今日は部長は外回りかしら?」


「はい、取引先に行かれました。昼過ぎには帰ってくるみたいです。」



「俺は早く タケと同じところで仕事がしたい」


それって蜜璃さんに失礼じゃん!と義勇をつねる。相変わらずの無表情だ。



「冨岡さんたらそんなにタケちゃんの事が好きなのね〜慣れたらチームで仕事ができるわよ〜!」



「2人でしたい」



何を言ってるんだこいつは!
と睨み付けるけどいつもの感じだ。




「それはそうと2人の関係ってどんな…?まさか本当に婚約者なの?」


キャー!と照れる蜜璃さんに義勇が無表情で照れている。


なんでそうなる!



「違います違います!幼馴染みなんですちいさいときから!勝手に言わないで!」




そういえば、自己紹介してから何も言ってなかった…早めに誤解を解けばよかった…





「小さいときにタケと一緒に寝たこともある。風呂だって」



「あわわわあれは小さいときでしょ本当に小さいとき!!!!」




「おふおふお風呂!?!?2人とも刺激的ね!」



ダメだこの2人に何を話しても理解してくれるのは難しそうだ





「それは婚約者とは言わんな!」






カフェルームに買ってきたであろう昼食を持参して入ってきた。
汗を少しかいている、暑かったかな外



「お帰りなさい。どうでしたか?」





「先方は渋っていたが無しではなさそうだ」




新商品の売り込みの反応を見てきたらしい。




「改善の余地がありそうですね」





「うむ。頼んだぞ!」




また頭をポンポンとしてくれる。
慣れてきたけど私を年下か動物かと思ってるのか?
年下ですけども…




そのやり取りに蜜璃さんは真っ赤になり、義勇は青ざめている。





「こちらの大まかな仕事も落ち着いたし、そろそろ皆で飲みに行くか!」




皆で歓迎会だ!
と日程をその場で決めて明日の夜行くことになった。






end









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