彼女の忘れ物を届けるために1Aの教室へ向かった。彼女は俺なんかには勿体ない人気者で、いつも誰かと話している。今日も男の子と話す姿にモヤモヤしながら声をかけられずに入口付近にいると、ふと彼女と目が合った。「あ!環くんだ!」と満面の笑みで駆けてくる彼女に愛しさが増す。
「環くん、どうしたの?」「忘れ物、してたから…」「わ!これ!どこにやったかと思ってたの!」言ってくれたら私が取りに行くのに、と笑った彼女に牽制の意味も込めて1Aの教室にきたことは内緒にしようと思った。「……俺も君に会いたかったから…」そう言うと彼女は花が咲くように笑った。