はじまり
秋山勇気。それがオレの父さん。アカデミアでは凄い成績で百戦錬磨だったらしい。
しかし、次元戦争の時のアカデミアではない。
遊城十代とかいうヤツがいる平和なごくふつーの学校で、仲間と一緒にデュエルの腕を磨いていたらしい。
オレに与えられたのは、自由と、自由という束縛と、何も映さないカードだけ。
だけどあるとき現れた灼熱のサン・ドラゴンというカードは、超イケてるモンスターカードだった。
母さんと父さんが離婚して、オレの苗字は煌にかわった。
幼なじみも居ないこの街でどんな珍道中が待っているのか。オレには毎日がワクワクと不安でしょーがなかった。
ちなみに、オレは遊士っていうごくふつーのデュエリスト。たぶんね。
「遊士くん、おはよう!」
「ハルちゃん」
金髪ボブの明智ハルちゃんは、学校のマドンナ的存在だった。家が近いので登校時間はたびたび一緒に通学することがある。
「遊士くん、今日も明智カード店にくるの?」
「もちろん!オレ、今日こそブラックマジシャン手に入れるんだ」
「遊戯さんにゾッコンね。もう何年も前の人なのに」
「十代さんの先輩だぜ!?オレが憧れないわけねーだろ!!!」
「あーあ。コイツまた性懲りもなくハルちゃんと一緒に通学してやがるぜ」
「行灯(あんどん)キョウタ!と、その一味!」
「ハルちゃんはー、オレらのマドンナだぜえ?お前みたいなよそもんにやれるかっての」
「うるせえっ友達なんだからいいだろ!!!」
「ともだち…」
「言ってろ!!!カードも見えねえ奴に勝負が出来るかよ!!!やっちまえ!!!」
グギギギ
ゴギャアアアアアアアアア!!!
「な、なんだ!?ソリットビジョンでもないのに爆風が!!!???」
「怒ってる…灼熱のサン・ドラゴンが怒ってるんだ…!!!友達をいじめるなって…!!!」
「よし、勝負だキョウタ!!!オレのデッキの真の力、これからたっぷり見せてやるぜ!!!」
「遊士くん…!」
「黙って聞いてりゃあ、カードに感情があるわけねえだろうがタコ!!!お前ら怯むんじゃ無えオレ様が直々にコイツを潰してやる!!!」
「デュエル!!!」
「へえ。煌遊士くんか。秋山勇気を父に持ち、榊遊矢を継ぐもの。面白くなってきた。な?麗しき神龍ムーン・ドラゴン」
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