東リベが人気ジャンルなことはSNSのトレンドで見かけたりして知ってはいたけどどうにも食指は動かなかった。が、電子書籍版で原作一巻が無料だったのを見つけて「流行りだしタダだし読んでみるか」と思ったものの9P目を見てそっ閉じした。
みたいな人が夢主な話。

何かしらあって東リベの世界へと転生トリップしてしまったナマエ。
生まれ変わった事には気付いてるけど東リベの世界だなんて露ほども思ってない。何せ9Pで漫画を読むのをやめたので。登場人物は花垣武道しか知らない。なので、

「なあナマエ、今日泊まってかね?」
「んー…どうしよ」
「あっ、ナマエくん来てる!」
「お、マイキー」
「ナマエくん今日うち泊まってってよ。一緒に寝よ?」
「だめだめ、ナマエは今日俺のとこで泊まってくから」
「シンイチローには聞いてない」
「こんにゃろ」

佐野家とがっつり面識あっても全然気付かない。佐野真一郎や佐野万次郎およびマイキーという名前は知らなかったので。
気付くのは原作軸になり、マイキーがナマエのもとにタケミっちを連れてきてから。

「ナマエ君、こいつタケミっち!俺のダチ〜」
「(あれこいつ…どこかで見たような…)」

会ってもすぐにピンとは来なかったけれど。
どこかで見かけたような、という違和感を辿って生前読んだ(?)漫画の表紙を思い出し、そして実際見たタケミっちの顔と照らし合わせたナマエが絶叫するのはもう少し後の話。



「ナマエー」
「うわ…」
「今日は怪我しちゃった♡手当てよろ」
「怪我しないで喧嘩から帰ってこれたことあるん?」
「うるせー!!」

ナマエと真一郎が知り合ったのは学生のとき。不良や暴走族といったものに縁がなかったナマエだったが、真一郎とクラスで隣の席になったことで変わった。
最初は特に何ともなかったが、次第にやれ教科書を忘れたから見せてほしいだの、利き手を骨折してノートがとれないから代わりにとってほしいだの、勉強教えろだの、しまいにはクラス替え後も真一郎がジャージを忘れたらナマエに借りに来る始末。不良なんだし授業受けるのに支障あるならもうサボればいいのでは…??とナマエは正直に思ったし言ったが、真一郎は笑い飛ばすだけだった。
そして学校を卒業する頃には真一郎はナマエと仲良く…というより懐いた、と形容する方が合うほどにつるんでいた。

「今日泊まっていい?」
「どっか折れてるわけじゃないし帰って」
「ひっで…こんな時間に外出たら補導されちまう🥺」
「知らないよ、そもそも無免許だし暴走族のアタマだし」
「ねーえー」

愛しの真ちゃんが捕まっていいの!?と肩を揺らしてくる真一郎に面倒そうな顔を隠さないナマエ。真一郎は何が何でも今日はナマエの家に泊まることを決意した。

ナマエは昔から、そして真一郎と仲良くなった今でも不良といったものに良い顔はしなかった。人が不良になること自体にはどうとも思わないが、存在は普通に怖いし謂れがないのに絡まれたら迷惑だとも思っていたし、その人の周りの無害な人達に被害がおよぶ可能性も考えるとどうしても不良といった人たちの生き方に共感はできなかったし、理解にも少々苦しむ。煙草の副流煙みたいな存在だと思っていた。
といったことを真一郎にも伝えているのだが、何故か彼はナマエとの仲を続けている。ナマエもナマエで首を傾げつつも真一郎との仲は切らなかった。

「自分の生き様?みたいなのを否定されたら嫌になると思うけどなぁ」
「でも俺といてくれんじゃん」
「お前が来るからね」
「…それだけでいいよ」
「ふーん…?」

ナマエは未だに、真一郎は自分のどこに懐いたのか分かっていない。

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的な。
不良を嫌ってるまであるのに何故か不良に懐かれるしそれ以上の感情も持たれるナマエさん。

あんまし転生トリップさせた意味がないように見えて、転生したことによるバタフライエフェクトで真一郎は無意識下で救済されてるし、それによって救済される人もいたりいなかったり。
ナマエさんが救済の為に動くわけではないのでその辺りは曖昧。

愛されっぽくなるかもしれないけどナマエさんは前世のことをふと思い出し、何なら恋しく思ってたりしてるのでそれを見たキャラ達はやきもきしたり(明確な理由は知らないけどナマエはいつもどこか別のところを見てる…!)。

タイムリープなんていう摩訶不思議なことを体験しているタケミっちには自分が転生者だということを話す日が来るかもしれない。2人の間で秘密ができて、それにもキャラ達はもやもや。


あとエマちゃんの家事負担が半端ないなと常々思ってるのでちょいちょい手伝ってる。自分も前世で一人暮らしだったとき家事にどれだけ時間と手間をとられたか…と遠い目で思い出しながら手際よく家事してほしい。

「ナマエさん、あのね…行きたいところがあって…」
「どこ?」
「ここのカフェ」
「え〜おしゃれなとこじゃん。俺とでいいの?友達とかは?」
「……マイキーの妹って学校でばれてるから、友達いなくて…」
「えぇ…」

不良の身内がいるとこういうこともあるんだなぁ…と思ったけど、思い返せば真一郎とつるみはじめてからそれまで仲良かった友達とかとは縁が切れたなと思い出してナマエさんはまた遠目になる。カフェには2人で行った。帰ったら真一郎とマイキーからブーブー文句を言われたが半分も聞かず、妹とられて文句言うなら兄であるお前達が連れてってやれとナマエさんは思ったがそうじゃない。

「エマちゃん今度唐揚げとか作らん?揚げ物1人じゃ大変でしょ?」
「!!うん!」

たくさん作って冷凍ストックしとこ、とナマエさんが笑えばエマちゃんの目がきらきら光る。
普通に優しくて自分のこともちゃんと気にかけてくれるお兄さんなナマエさん。エマちゃんの初恋を掻っ攫っててもいい。

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▼もし場地兄に生まれ変わってたら
「はい最悪。もー最悪。なに、お腹空いたから人の車燃やすって。お前、次はお前の番だからな。くだらない理由で人の大事なものを取り返しつかなくしたんだから、次はお前の大事なものがそうなる番だよ」

車買うのに何年ローン組むと思ってるんだバーーカ!!!知らなかったじゃ済まされん!と自分の車じゃないのに、車燃やされた人のことを思うと涙が止まらないナマエさん。このあと車の持ち主のところに行って場地共々土下座した。
ナマエさんは普段場地に根気強く勉強教えてあげたり普通に可愛がって優しいお兄ちゃんしてたから、そんな彼から冷えた目と言葉を向けられて場地は泣いた(かもしれない)。
くらいのことをしてほしい。

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