「おじゃましまーす」
「あ!なまえちゃーん!いらっしゃい。なんか少し見ない間にまた綺麗になってー」
「お久しぶりツナママ!今日はほんとに、いいの?」
「いいのよ!なまえちゃんと話したかったのよー。ツナもなまえちゃんと最近話せてないって落ち込んでたし」
「そうなんですか?じゃあ、おじゃましちゃいます」
「どうぞどうぞ。ツナはいま上にいるかな?まあ、入って入って」

ツナのお母さんはどこかしらツナに似ている。まあ、親子だから当たり前なんだけど、優しいところとか温かいところとか、なんとなくツナと重なる。一人暮らし同然の生活をしているわたしはよく沢田家に気にかけてられていた。お母さん達はお仕事で海外を飛び回っている。最初は寂しかったが、それは仕方ないことなのでそうとは今は思わない。

「ツナー、来たよ」
「お、あ、なまえ!いらっしゃい」
「うん…て、え?だれその赤ちゃん」
「あ、…。えーとそいつはあの」

「お前がなまえか」
「え」
「俺はリボーンだ。お前のことは聞いている。ちなみに赤ん坊じゃねーぞ」
「…ツナ、説明」
「お前、ボンゴレファミリーに入れ」
「ちょちょ!リボーン、なまえだよ?幼なじみだからね?!」

少し見ない間にツナの家には赤ちゃんがいた。リボーンとかいうらしいが、そんなことは今争点ではない。え、今くらいの子供ってそんな口達者だっけ?ボンゴレ?あさり?ていうか、わたしのことなんで知ってるの?

「あー!ごめんなまえ!こいつちょっと変わってるんだ気にしないで…」
「俺は変わってないぞ。てか、そんな口を聞いてんじゃねえ。殺すぞ」
「まあ!赤ちゃんが殺すとか言っちゃだめよ!物騒なものも持たせない」
「ああ、なまえそれおもちゃとかじゃ…」
「リボーンくん?それお姉さんにくれる?」
「なまえも馬鹿にすんじゃねーぞ。これは本物の銃だ」
「え?」
バーン!

そのとき、確かに小さな火花と共に顔の真横を銃弾がすり抜けた。うそでしょ?と思って振り返るも、壁には煙を放つ銃弾が埋め込まれていた。え?これって

「わかったか?」
「…は、うそうそうそ。この子一体」
「もう一度言う、なまえボンゴレファミリーに入れ」

かちゃり、と銃を装備する謎の赤ちゃんを目の前にNOとは言えず。反射的にツナの顔を見ると、まただよ…と言った調子で狼狽えていた。どういうことよ、と思いながらもリボーンと名乗るこの子から逃げれない

「…わかった。まずは説明からね」
「、ふん。やっぱりお前は飲み込みが早いな。状況判断に長けている。戦闘では大事なことだぞ」
「ちょ、リボーン?まじでなまえ入れる気?」
「マジも何も俺はいつも本気だ」
「とりあえず、銃しまってもらえマセンカ」

そうだな、と言って懐に銃を戻したリボーンにとりあえずほっとため息をつく。やっぱり、といったリボーンの言葉に疑問を抱きながらも、ツナから説明を受けることが先決だ。


ーーー
(side By tsuna)


「ふーん…なるほどね。マフィア、か」
「そうだ。俺は殺し屋だぞ」
「だから拳銃を持っているってこと?ま、それはいいんだけど、わたしそんな一流のマフィアに入ったところで何も出来ないよ?ということでさよな、」
「NOはないぞ。なまえはファミリーに必要な紅一点になるんだからな」
「(なにがなんだか)山本くんとか獄寺くんもそのメンバーなの?」
「察しがいいな。そのとおりだ。もう少しメンバーは増える予定だがな」

申し訳ない気持ちでなまえを見つめていると、表情を変えずなまえは状況を理解したようだった。伏し目がちの長い睫毛は中学生とは思えない美形の顔を造っていて、こんな彼女の幼なじみであることを誇りに思えた。

「じゃあ、わたしのボスはツナなのね」
「え、ぼ、僕は」
「そうだぞ。ツナがボスだ」
「いいじゃない。ツナだったらみんなついていきそう」
「今は、最弱のボスだけどな」
「ぐ、…そうだけど」

「ご飯できたわよーー!」

「あ、ご飯できたって」
「よし、じゃあひとまず行くか」
「そうね、下りよう」

ぴょんとリボーンがなまえの肩に乗って下におりようとする。ぱっとこちらを見たなまえにどきっとして、とりあえずごめんねと口を開こうとすれば、すぐになまえは

「ボス。わたしはファミリーに入ってもいいんですか?」
「…え、」
「だって、了承を得れないとファミリーには入れないでしょう?」
「そうだぞ、ツナ。お前が決めるんだ」
「えええ、嘘だろ。…なまえ、本気なの?」
「だって入らないと殺されそうだし。…それに、ツナがボスならいいよ」
「、?」
「わたしを守ってくれるだろうし。ね?」

瞬間に笑いかけたなまえに心臓がどくんと音を立てる。守る、か。それはどんなものなのだろうか。いままでの自分からは想像もつかない言葉だったが、それを平然に言ってしまうなまえの真意があまり読めない。

「ま、守るけど、」
「うん。じゃあ決定ね、」

お腹空いたあ、と抜けた声を出して先に行ってしまったなまえ。ぽつんと立っていた俺の方をみて、首をかしげていかないの?と言われるので、俺も慌てて下に駆け下りる。

守ってくれるでしょう?なんて、俺は信頼されているのだろうか、と考えてしまう。

「…守るものがあれば人はもっと強くなるぞ」
「え?」
「まあ、ひとえになまえは守られているだけじゃなさそうだけどな」
「そ、そうなの?」
「まあ、幼なじみのお前をあいつは信頼しているからファミリーに入ったんだ。ダメツナのところも知っててお前についていくわけだから、大切にしねえとな」

リボーンはそう告げて、さっさと食卓に言ってしまった。言われなくても、と思うが、ふんぎりをつけなくてはいけない。なまえは大切な幼なじみだ。巻き込んでしまった以上、どうにかしないといけない。

「ツナー、この子ダレ?」
「え、、あ!ランボ!」
「この女ダレだし。までも、女可愛いからランボさん隣でご飯食べてあげるもんねー」
「この子もそういう子、なの?まあいいけど。女じゃなくてお姉ちゃんね」
「いーやーだー! なまえだな!」
「てめえうるせえぞ、黙れ。」
「牛柄って何よ。面白いね」
「次口開いたら殺す」
「ぐすっ…、が、ま、ん」

「ツナ、食べよ?」

ま、平凡に生きていきたいんだけど。








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