学校に行くと、前の方に一緒に歩いている山本くんとツナを見つけた。そして上を見るとそれをすごい顔で睨みつけている獄寺くんを発見した。なんという修羅場(?)だ。関わりたくないなあ、と思ってしまう。

「獄寺が、山本がファミリーに入るのが気に食わないらしい」
「え?わ!リボーン、」
「てことで入ファミリー試験するぞ」
「(リボーン普通に話すなあ)そ、それわたしもいなきゃだめ?」
「当たり前だ、来ないと殺す」

懐にある拳銃をちらつかせるリボーンに言える言葉は、YESしか残されていない。

「放課後な」
「わかった…。て、てかさ、獄寺くん山本くんが入るの気に食わないってことはさ、わたしなんかもっと気に食わないんじゃ」
「そうかもな、だからお前の試験も兼ねるぞ」
「う、うっそでしょーーー!」


ーーー


放課後。ちらりと物陰から盗み見していると、それはそれは獄寺くんの鬼のような形相が見えた。そして山本くんはというと、状況がまるで読めていないのか、天然を存分に発揮しており、全然信じていない。ああ、もう帰りたいなあ…と逃走の言葉が頭を巡る

「早く来い、なまえ」
バーン!
「やっ!ちょっ、ちょっと」
「わーー!リボーン発砲すんなって!」
「お、みょうじ?」
「な、なんでお前までここにいんだ?!」
「あは、えへへ、それはあのー…」
「なまえもファミリーに入れたぞ。よって、今から山本となまえの入ファミリー試験をする。」
「!、リボーンそれはまずいって!」
「は?!女をなんでファミリーになんか!」
「おおーみょうじもゲームに入んのかー?こりゃ楽しそうだ」
「ちなみに負けは死を意味する」

もう、なにをどこからどこまで突っ込めばいいのか。とりあえず死ぬのはごめんだと思いながら、獄寺くんの痛い視線を一身に受ける。いや、あのね、わたしも入りたいわけじゃなかったのよ?

「とりあえず、攻撃をかわせ」
「はじまった?!」

突然ナイフが体の横をすり抜ける。昨日も顔の横を銃弾が通り過ぎたはず…とカオスなこの状況をまるで理解出来ていない。

「さすが、野球で鍛えてるだけあるな。反射神経抜群だ」
「そうっすかね…(なんで女も避けれてんだ?)」
「ふっ、なまえを見くびらねえほうがいいぞ」
「えっ?あいつを、ですか?!」
「あいつにはそういう血が流れてるからな…
#名前#!お前はこれで応戦してみろ」
「、は?!…こ、これって」
「なになまえに拳銃もたせてるのーー?!」
「試験だからな」

否応なしに飛び交うナイフ。なぜか手元には拳銃。どうするか、と考えている間にも恐ろしい状況は刻一刻と過ぎていく。するしかない。

「ツナ!山本くん!逃げてよね?」
「え、え、なまえ?」

バーン!

「うそ、だろ!」

あれ、こんなに拳銃って手に吸い付くものなのかしら。重みは丁度よく感じ、飛んでくるナイフを次々と打ち返す。え?すごくない?!わたし、打ててる?!

「ほお…思った通りだ。獄寺、お前もぶっぱなしていいぞ」
「、しかし…」
「山本、ぶっ殺すつもりでいけ」
「り、リボーンさんがいうならしかたねえ!!」

ちら、っとみたら獄寺くんの怪しい動きが目に付く。よけてくださいね、とツナに視線を送ったと思った次の瞬間、怒涛のダイナマイト攻撃が仕掛けられた。もう死んじゃうんじゃないのかと思いながらも、一つ一つを撃ち落とすしかない、でも

「間に合わないよーー?!」
「やべ、みょうじ?!」
「もうやめてええええ」
「っ!待ってろ!」

銃を握ったままとりあえず逃げることにした。どうやら、斜め上からもう一人攻撃している人がいるらしい。これ死ぬ…?

「っは!間に合った!」
「や、山本くん?」
「逃げるぞ」

にかっと笑った山本くんに腕をつかまれ、校庭を走り回る。瞬間にバーーーンと大きな爆発音が鳴り、一瞬死を悟ったが、山本くんのおかげもあって生き延びることが出来た。にしてもツナ、ちょー助けられてるなあ

「試験合格だ。正式にボンゴレファミリーだぞ」
「よっしゃあ。やったな。な、みょうじ?」
「え、わたしも?」
「いい腕してたぞ。なまえも正式に決定だ」
「山本…よくやった!10代目をよく守ったな!」

獄寺くんが珍しく山本くんに笑顔を向けていた。こんなこともあるんだあなんて男の友情現場をみていたら、けんこー骨だとか耳たぶだとかなんか言い出す始末に、あ、やっぱりそうなるかと一人で納得する。

「みょうじ大丈夫だったか?」
「え、あ、うん。ありがとね、山本くん助けてくれて」
「いいってことよ。お前も俺ら助けてくれたしな。怪我してなくてよかったぜ」

山本くんは爽やかな笑顔でわたしの髪の毛をわちゃわちゃした。大きなごつごつした手は男だなあと思いながら、ありがとう、と笑顔で返す

「お前…、かわいいな」
「え?」
「ま、よろしくな。同じファミリーだし!じゃ、おれ部活いくわ」
「お、おう。さよなら!」
「にしても最近のおもちゃはリアルだな」
「まだマフィアごっこだと思ってるーー?!」

かわいいとかさらりと言っちゃう山本くんにびっくりしつつ、だからモテるんだなあと納得した。にしても天然ってすごい。振り返るとずいずいと不機嫌な顔をした獄寺くんの姿が見える。え、こわいよ。どうしたの

「てめぇも認めざるおえなくなったが、女だからって手加減しねえからな!」
「え、あ、うん(何言ってんだ)」
「ファミリーは甘くねえからな!アホ女!」
「わ、わたしアホじゃないからね!?」
「アホみたいな顔してるじゃねえか!ばか女」
「(かっちーん)あらそう。せいぜいよろしくね!タコ頭くん!」
「な、なんだとてめえ!」
「じゃあ、わたしも帰る。ばいばいリボーン、ツナ!」
「う、うん。またご飯食べに来てね!」
「うん!ぜひ!」
「あ?!お前10代目のとこで御馳走してもらったのか?!おい、まてこらああ」

なんで同じ顔が良くてもこんなに違うのか。
山本くんはすごいジェントルマンなのになあ。人をバカにしやがってと悪態をつきながら、家路についた。




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