2022/04/01(Fri)

マゴヨリ

もういっこ
「ふふ、宝探しでもしているみたいだ」
「あ、それおっさん臭いなってぃてて!!こら!」

健康的な小麦色に焼けた肌が露わになりそこをたどる自信の指先の白さがより際立って見える気がした。
程よく引き締まる腹筋の溝を辿りキングタンクスラッシュに隠された胸元へと指先を探らせている内に冗談めかした零した言葉に苦笑する彼にむっとして筋肉の厚みでやや膨らむ胸元をつまみ上げるとびくりと面白いほどに彼の肩が跳ねた。
優しく扱えと念を押され今度は優しく指先で挟み込むとごくりと息を呑む音と詰まる呼吸音。見下ろした先で薄らと蒸気した頬が色濃く滲みはじめた表情につられてこちらの胸の速度も増していく。

「なぁ、そろそろ…」
「まだ、だめ、もうちょっと」

もう待てない、と言わんばかりにギラリと光る茶色の瞳が自信を見つめ大きな手のひらが



「えっ」

思わず溢していた音が掻き消えるほどの速度で反転する視界、気がつけば夜床につく際に毎日顔を合わせている疎らにシミのある天井と対面しており、何事だと視界を数度遮断しては開いてを繰り返していると下の方からにゅっと飛び出したこちらも毎日顔を合わせている幼馴染がしてやったりといったニヤついた表情を覗かせていた。

「ふふふ、今日は覚悟するんだな、ヨリ」

ss
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